輪島市おすすめランチ5選|ここでしか味わえない特別な能登の時間を
2024年、能登半島は未曾有の災害に見舞われました。輪島市もその大きな被害を受けた地域のひとつです。それでも今、少しずつ前を向き、地域とともに歩み続けるお店たちがあります。
美しい能登の海を眺めながらこだわりのパンとコーヒーが味わえる人気のベーカリーや、昔から地元の人々に親しまれてきた老舗の食堂など、観光と合わせてぜひ立ち寄りたいランチスポットをご紹介します。
復興へ向けて日々奮闘する輪島の「今」を感じに、あなたも足を運んでみませんか?
輪島でランチおすすめ5選|地元ライターが選ぶ注目のお店
今回ご紹介するお店の位置情報はこちらです。
- ラポール・デュ・パン
- 喫茶 翁
- 鵠州agri膳座
- かど長食堂
- 寿司処 伸福
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ラポール・デュ・パン|能登の海風を感じるフレンチベーカリーランチ
輪島市マリンタウンにある「ラポール・デュ・パン」は、本場フランスの製法で作られたパンが並ぶ人気のベーカリー。
バゲットやクロワッサン、食パンといった定番のほか、フランスの郷土料理「キッシュ」なども揃い、ショーケースを眺めているだけでも楽しいひとときが過ごせます。特にクロワッサンは人気が高く、取材日も限定商品があっという間に売り切れていました。
晴れた日には、2階にあるテラス席が特におすすめ。
目の前には能登の海が広がり、心地よい潮風を感じながら焼き立てパンのランチを楽しめます。人気メニューは、日替わりのお惣菜パン。なかでも「きまぐれピッツァ」や「ザクザク(カレーパン)」「ホットドック」がよく選ばれているそう。ベーカリーならではの気軽で美味しいランチが楽しめます。
店主のご家族で切り盛りされているこのお店には、地元のお客様も多く訪れます。
「最近は少しずつ観光の方も戻ってきてくれて嬉しいです」と話してくれた女将さん。取材中には、目の前の公園で息子さんが一生懸命素振りの練習をしている微笑ましい姿も。
能登の海とともに歩む家族の物語を感じながら、あたたかい時間が流れる海辺のパン屋さんです。
喫茶 翁|被災を乗り越え、地元に愛され続ける老舗喫茶店
輪島市河井町にある「喫茶 翁(おきな)」は、創業から50年以上、地元で長く愛され続けている老舗の喫茶店。
2024年の震災後も被害が少なかったことから、いち早く営業を再開。今では地元の常連さんに加え、復興支援で訪れた方や観光客など、幅広い人々の“日常の場”として賑わっています。
カウンター席やテーブル席がゆったりと配置された落ち着いた店内には、店主手作りの輪島キリコが飾られており、能登らしさを感じる温かみのある空間が広がっています。
「喫茶 翁」の魅力は、豊富なメニューと“たまご愛”あふれるこだわりの料理たち。
ナポリタン、グラタン、サンドウィッチなどの王道メニューに加え、サラダに添えられる手作りのマヨたまごは、思わずほっとする優しい味わいです。
なかでも人気なのが「スパゲッティグラタン」。グラタンとスパゲッティを掛け合わせた一品で、クリーミーなホワイトソースとチーズがパスタに絡み、懐かしくも新しい味わい。年間を通して注文が絶えないそうです。
ランチのあとには、ぜひデザートも。香ばしいカラメルがたまらない昔ながらの“固めのプリン”や、喫茶店らしいパフェ、手作りケーキも揃っており、ついつい長居したくなるラインナップ。店主とご家族で新メニューの開発にも意欲的で、どこか懐かしくも新しさを感じる、そんな喫茶店です。
基本情報
喫茶 翁
住所:石川県輪島市河井町17-2-16
電話番号:0768-22-0300
営業時間:9:00〜15:00
定休日:日曜 ※イベント等で変更の場合あり
駐車場:あり(満車時は向かいの無料駐車場を案内)
鵠州 agri 膳座|能登の海の幸を気軽に味わえる仮設レストラン
輪島市街から国道249号線を白米千枚田方面へと進む途中にある「鵠州(こうしゅう) agri 膳座」。
店主の「地元の味を絶やさず届けたい」という強い想いから、2024年秋に仮設店舗として営業を再開しました。能登の海産物を求めて連日多くの人が訪れ、地元客・観光客ともに賑わいを見せています。
メニューは定食や丼を中心に豊富に揃い、特に人気なのが日替わりのおまかせ定食。獲れたての新鮮な魚介を焼きや刺身で楽しむことができ、価格もリーズナブル。
また「能登ふぐ丼」や「能登豚ヘルシー丼」など、能登らしさが光るメニューもおすすめで、ほとんどが1,000円以下というのも魅力。観光の合間に立ち寄って、しっかり美味しい魚を楽しみたい方にぴったりです。
中でもぜひ味わいたいのが「能登ふぐ丼」。
輪島市は、かつて天然ふぐの漁獲量日本一を誇ったエリア。今でもその水揚げ量は全国屈指を誇ります。こちらでは、ぷりぷりとした歯ごたえの天然ふぐを、まろやかな卵とじとともに丼ぶりで提供。贅沢ながらも手が届く価格で楽しめるのが嬉しいポイントです。
現在の仮設店舗は、2025年11月中旬頃に近隣へ移転予定とのこと。震災を乗り越え、地元の味と人のぬくもりを届け続けるその姿に、訪れる人も元気をもらえるはず。輪島観光の際には、ぜひ足を運んでみてください。
※ご来店前に店舗SNSをご確認ください。
基本情報
鵠州agri膳座
住所:石川県輪島市大野町鶴ケ池41
電話番号:なし
営業時間:
月・土 11:00~14:30、17:00~23:00
火~金 11:00~14:30、17:00~21:30
日 11:00~14:30、17:00~22:00
定休日:不定休
駐車場:あり
かど長食堂|昔ながらの味と人情が息づく、親子経営のあたたか食堂
輪島市内、住宅街の一角に佇む「かど長食堂」は、創業から50年以上、親子で営まれている地域密着型の老舗食堂。
2024年の震災で大きな被害を受けたものの、わずか数ヶ月で再開。今では地元の方や復興支援に訪れる人々、観光客の憩いの場として、あたたかな空気に包まれています。
メニューはラーメン、うどん、丼ものなど昔ながらの食堂定番がずらり。中でもお昼時に人気なのが「手づくりおにぎり」。ふんわりと握られたあたたかなおにぎりは、どこか懐かしさを感じさせ、訪れる人の心とお腹をやさしく満たしてくれます。
この日いただいたのは、ランチで人気の「チャーシュー麺」。
スープはシンプルな醤油ベースで、飲むほどにほっと安心できるやさしい味わい。自家製のストレート麺はほどよいコシがあり、厚切りのチャーシューはしっかり味が染みていて満足感たっぷり。
実は以前、製麺所としても営業していた歴史があり、その技術を活かした麺はまさにお店の看板。今では「食べに来てくれるお客さんの顔を見られるのが嬉しい」と語る店主の笑顔も、この店の魅力の一つです。
SNSや口コミを通じて、住宅街にありながらも県外や外国人観光客も訪れるようになったという「かど長食堂」。観光でふらりと訪れた人も、地元の常連さんも、誰もがあたたかく迎え入れてくれるこの場所には、輪島の人のやさしさと“日常”が詰まっています。
ほっと一息つきたいとき、懐かしい味に癒されたいとき。そんな時にこそ、訪れてほしい一軒です。
基本情報
かど長食堂
住所:石川県輪島市新橋通6-4-7
電話番号:0768-22-2374
営業時間:11:00~14:00、17:00~20:00
定休日:不定休
駐車場:あり※お店横
輪島寿司処 伸福|地元の海の幸を極上の寿司で味わう、実力派の寿司処
創業30年を超える「輪島寿司処 伸福」は、現在は2代目の若き寿司職人がカウンターに立つ、地元で愛される寿司処。
毎朝仕入れる魚介は、宇出津港や輪島港(※現在は震災の影響あり)から。能登の自然の恵みを存分に活かした寿司を、ランチでも気軽に味わうことができます。
観光客はもちろん、地元の常連さんにも親しまれるこの店では、季節に応じて旬のネタが提供されるのも魅力。まさに「今の能登」を味わえる一軒です。
能登半島は、荒波が打ち寄せる外浦と、比較的穏やかな内浦という異なる漁場があることで、白身魚を中心に多彩な魚種が獲れるエリア。
おすすめネタは、能登ふぐ、ノドグロ、イカ、タコなど、地元ならではの旨みが凝縮された魚介類。また、希少な「能登牛とろ炙り」も人気の逸品で、魚介とあわせてぜひ試してみたい一貫です。
今回いただいたのは、店主おすすめ「日替わり地物にぎりランチ」。能登ふぐ、マダイ、カニ、甘エビ、赤ガレイなど、旬のネタが8貫並び、輪島産の岩海苔や酒粕を使った味噌汁付き。まさに「能登の海を味わい尽くす」贅沢な内容でした。
さらに、10種類以上のネタが並ぶボリューム満点の海鮮丼や、平日限定の「おまかせ寿司ランチ(小鉢・サラダ・茶碗蒸し付き)」など、選ぶ楽しみも豊富。
「能登に来たら、ぜひ地元の魚を味わってほしい」と語る店主の想いが込められた一貫一貫に、能登の豊かさと温かさが感じられます。
ランチと一緒に楽しみたい輪島の観光スポット
せっかく輪島を訪れたなら、ランチを楽しんだあとは、そのまままち歩きや観光に出かけてみませんか?
日本海の雄大な海景色と、やさしい里山の自然に囲まれたこのまちには、食後の立ち寄りスポットや、旅の思い出づくりにぴったりな場所が点在しています。
たとえば、旧輪島駅の跡地にある道の駅 輪島(愛称:ふらっと訪夢)、伝統工芸に触れられる「輪島工房長屋」や、「輪島塗しおやす漆器工房」など輪島ならではの文化と出会えるスポットが徒歩圏内に点在。ランチと合わせて、心に残る輪島時間をお楽しみください。
まとめ
今回は、輪島市内でランチを楽しめる5つの飲食店をご紹介しました。
震災からの復興途中にあるなか、それぞれのお店が地域と向き合い、訪れる人に食と温かさを届けようと日々営業されています。取材では、どの店主の方々も快くお話を聞かせてくださり、お料理へのこだわりはもちろん、輪島という土地への想い、地域の人たちとのつながりなど、たくさんのあたたかな言葉をいただきました。
そんな“人の力”こそが、今の輪島を支えているのだと感じさせられる取材でもありました。
お腹も心も満たされる輪島のランチ旅。観光の合間に、ぜひふらりと立ち寄ってみてください。きっと、忘れられない一皿と出会えるはずです。
また、「今行ける能登」という特設ページでは、能登地域で現在訪問可能な施設やイベント情報を随時更新中です。
皆様に能登の観光地にお越しいただくことが、被災地の早期復興につながります。ぜひチェックしてみてください。