【石川県七尾市】小山屋醤油店で味噌づくり体験&一本杉通り散策|震災復興への想い
七尾のまちには、昔ながらの街並みや食文化、そして人のあたたかさが息づいています。今回は地元学生が、味噌づくり体験ができる老舗「小山屋醤油店」や歴史ある一本杉通りを歩きながら、七尾の魅力を体感してきました。伝統工芸やグルメ、まちの人との出会いまで、実際に歩いて見つけた七尾の楽しみ方をご紹介します!
七尾市の老舗「小山屋醤油店」
小山屋醤油店は、大正元年の創業以来、能登で受け継がれてきた醤油づくりの技を守り続けてきた歴史ある醤油店。地域の人々に親しまれながら、醤油や味噌づくりを百年以上にわたって営んできました。家族で製造から販売までを行う、七尾の小さなお醤油屋さんです。二度の震災による被害を受けながらも、前を向いてより良いものづくりを続けている姿が印象的でした。
国登録有形文化財の蔵を見学
なんとこの小山屋醤油店、店舗や蔵が国の登録有形文化財に指定されているのです!歴史ある建物を、女将さんの案内で見学することができるのも魅力のひとつ。杉樽が並び、醤油の香りに包まれた蔵や赤レンガ造りの麹室など、見どころがたくさんあります。案内してくださる女将さんはとてもユーモアがあってあたたかく、時にはクイズも交えながら楽しく説明してくださるので、初めてでも分かりやすく学ぶことができます。思わずまた訪れたくなる、そんな見学体験でした。
受け継がれてきた醤油・味噌づくり
七尾市が位置する能登半島は、北前船の寄港地として栄えた歴史ある港町。四季を通して新鮮でおいしい魚介類が豊富にとれることから、食材の味を引き立てる醤油づくりもこの地で発展してきました。
小山屋醤油店の始まりは、大正元年。幕末から明治にかけてこの地で廻船業と醸造業を営んでいた「西尾与平」から、旅館業を営んでいた小山屋が醸造業を引き継いだことが小山屋醤油店の始まりなのだとか。
それから百年以上——。今もなお多くの人から愛される老舗醤油店です。
味噌づくり体験に挑戦
お味噌づくりに挑戦してみました!
はじめる前は「私でも味噌を作れるのかな?」と少し不安もありましたが、いざ体験が始まると、気づけば夢中になって作業をしていました。
指導してくださる女将さんは、ただ工程を説明するだけでなく、「なぜこの作業をするのか」といった理由もひとつひとつ丁寧に教えてくれます。そのおかげで、楽しみながら体験できただけでなく、味噌づくりについて少し詳しくなれた気がします。
いくつか工程がある中で、特に印象に残ったのが「塩」を使う工程です。味噌づくりにおいて塩はとても重要な役割を果たします。味噌は麹の働きによって発酵してできる食品ですが、そこで活躍するのが塩。塩には雑菌の繁殖を抑える働きがあり、味噌づくりには欠かせない存在なのだそうです。女将さんもこのことを何度も教えてくださり、お味噌における塩の大切さを学ぶことができました。
そして何より心に残ったのは、女将さんの細やかな心遣いです。蔵の見学や醤油・味噌づくり体験では、訪れるお客さんに合わせて説明の仕方や内容を変えているのだとか。
この醤油店には、小さなお子さんからご年配の方まで、さらに様々な職種の方や海外からの旅行者など、多くの人が訪れます。
どんな方でも楽しめるよう一人ひとりに合わせて工夫されいるので、見学の中では思いがけない新しい発見や学びに出会えるかもしれません。
震災による影響と、現在の状況
2024年の能登半島地震では、能登全域が大きな被害を受けました。小山屋醤油店でも味噌蔵が全壊するなど、大きな影響があったそうです。
実は2007年にも能登で大きな地震が発生しており、その際には醤油蔵が全壊しました。こうした二度にわたる地震によって、建物の多くが大きな被害を受けたといいます。
今回の地震では液状化現象の影響もあり、店内や醸造の場には地面のひび割れや梁・柱のゆがみなどが見られ、震災の大きさを物語っていました。
復興に向けた取り組みと、地域への想い
震災後は、国からの支援や周囲の方々の協力によって、少しずつ修復が進められているそうです。二度の大きな地震を経験し、「もう無理かもしれない」と一度は諦めかけたそうです。あんなに明るく元気な女将さんがそう感じていたと聞いた時はすごく驚きました。不安で眠れない日もあったそうです。
それでも、諦めない気持ちと多くの人の支えによって、建物は完全に元通りとはいかないまでも少しずつ修復が進み、今も「地域に愛される小山屋醤油店」を目指して醤油や味噌づくり、営業を続けています。
「ただ元に戻すだけでなく、小山屋醤油店を以前よりも魅力あるお店にしたい。」そんな夢や目標を持ちながら、前向きに取り組んでいる姿がとても印象的でした。
体験・取材を通して感じたこと
小山屋醤油店さんを取材させていただいて、私が一番感じたのは「あたたかさ」でした。お醤油の香りに包まれた空間と、女将さんの優しくて楽しいお話。地域やお客様を大切にされている姿がとても印象に残っています。地域を想うそのあたたかさが、長く愛され続けている理由なのではないかなと思いました。
また、伝統に固執せず、時代やニーズに合わせて変化していくことも大切にされているそうです。製造の工程でも、昔ながらの方法を大切にしながら、便利な機械も積極的に取り入れているのだとか。より良いものづくりを目指して進み続ける姿から、お醤油づくりやお客様への想いの強さが伝わってきました。
ぜひ一度、このあたたかいお醤油屋さんを訪れてみてください!きっとまた足を運びたくなっちゃう、そんな場所です。
基本情報
小山屋醤油店
住所:石川県七尾市相生町41番地
電話番号:0767-52-0428
営業時間:8:00〜17:00
定休日:日曜日・第2・4土曜日
駐車場:あり
【時間】①10:30~ ②13:30~ (所要時間:40分)
【料金】2,000円/人
【時間】①10:30~ ②13:30~ (所要時間:40分)
【料金】1,500円/人
七尾市一本杉通りを散策
小山屋醤油店さんでの味噌づくり体験のあと、少し足をのばして一本杉通りへ出かけました。
一本杉通りは北前船の時代から続く歴史ある商店街。各店には「語り部処」が設けられていて、お店の方から通りの歴史や暮らしの話を聞けるのも魅力です。町家が並ぶ風情ある通りには、七尾の文化を紹介する「花嫁のれん館」もあり、能登ならではの婚礼文化に触れることができます。
語り部処「漆陶舗あらき」を訪問
一本杉通りに位置し、おしゃれな外観が目を引く「漆陶舗あらき」さん。語り部処として、お店が忙しくない時間であれば事前のアポイントなしでも、能登や七尾のこと、輪島塗の作業工程、職人さんの手仕事についてお話を伺うことができます。また、輪島塗や山中塗、九谷焼などの購入ができるほか、輪島塗の沈金を気軽に体験できるなど、石川・能登の伝統工芸に触れられるのも魅力です。
震災後は仮設店舗で営業されていましたが、2025年11月に一本杉通りへ戻り、リニューアルオープンしました!2階には七尾で人気の焼き鳥居酒屋「鶏とまつば」が移転オープン。落ち着いた雰囲気の空間で食事を楽しむことができます。
女将さんインタビュー
震災では、お店にあった商品の約9割が割れたり傷ついたりしてしまい、大きな被害を受けたそうです。その光景を目にしたときは「もう終わりかもしれない」と感じたといいます。しかし、震災で終わってしまう悔しさや、被災しながらも再建に向けて動き出す人たちの姿に背中を押され、再興が始まりました。
特に、震央により近い輪島の職人さんたちが厳しい状況の中でも前を向いて取り組んでいる姿から、大きな力をもらったそうです。
「せっかくなら新しいことにも挑戦したい」という思いから、建物の2階や買い取ったテナントには人気の飲食店が入り、通りには新しいにぎわいも生まれています。一本杉通りから能登・七尾を盛り上げていこうという前向きな姿勢がとても印象的でした。ぜひ足を運んで、一本杉通りの魅力を感じてみてください!
七尾市おすすめランチ|うみまち商店
「うみまち商店」は、一本杉通りに2025年12月にオープンしたおしゃれな飲食店。七尾で人気のフレンチ食堂「ひのともり」がプロデュースしています。昼は定食、夜はフレンチとイタリアンをベースにしたバルとして営業しており、どちらの時間帯も能登の素材をふんだんに使った美味しい食事をいただけます。
震災前は洋品店として営業していた建物を改装し、飲食店として新たに生まれ変わりました。外壁上部に掲げられている「ミズカミ」の看板は、当時の洋品店のもの。これまでの歴史を大切にしたいという思いから、あえてそのまま残されているそうです。
地元・能登の素材をふんだんに
メニューはどれも魅力的で迷いましたが、今回は「鬼おろしみぞれ唐揚げ定食」を注文。ランチには自家製の糠漬けがついてきます。毎日丁寧に作られているそうで、やさしい味わいがとても印象的でした。
唐揚げは能登の「いしる」に漬け込まれており、しっかりと味が染みたジューシーな仕上がり。ごはんには能登のお米が使われていて、一つの定食の中に能登の魅力がぎゅっと詰まっています!
店内には能登産のお酒も豊富にそろっていました。今回はランチでの利用でしたが、夜にバルに変身したうみまち商店さんにも行ってみたいと思いました!
基本情報
うみまち商店
住所:石川県七尾市一本杉2番地
電話番号:0767-88-0281
営業時間:
○Lunch / 定食|11:00〜14:00(L.o 13:30)
○Dinner / コース&アラカルト|18:00〜22:00頃まで
定休日:月曜日、火曜日
駐車場:御祓川沿い12台(元「なかやま薬局」さん裏
観光で七尾市を訪れる方へ
今回の旅で七尾の良さを五感で感じることができました。震災に遭い、心が折れそうになりながらも、地域のことを想い、前を向いて活動されている七尾の方々とお話しできたことは、非常に心に残る経験になりました。
この記事を読んでくださったみなさんにも、ぜひ能登・七尾を訪れて、あたたかな七尾を肌で感じていただきたいと思います!七尾を歩き、人と出会い、現地の魅力に触れてみてください!
周辺おすすめスポット
七尾に訪れたならここにもよっていただきたい!と思うスポットをご紹介します。石川県で唯一の水族館、おしゃれで心が癒されるスカイデッキ、レトロなグッズが肩を並べる博物館。全スポット大満足間違いなし!ぜひ訪れてみてください!!