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■どんな料理？

「ハントンライス」は、一見するとオムライスのように見えますが、卵の上にフライがのっていてケチャップと一緒にタルタルソースがかかっているのが大きなポイントです。

■料理名「ハントン」って？

考案したシェフがハンガリー料理からヒントを得たと言われています。フライに使った魚がマグロで、ハンガリーの「ハン」とフランス語でマグロを意味する「トン」を組み合わせた造語だとされています。（諸説あり）

■発祥は？

1960年ごろ、元々は金沢のレストランのまかないとして生まれたなどの説があります。そこから金沢の人気洋食メニューとして地元のレストランや喫茶店などで提供されるようになりました。

今回ご紹介するのは5つのお店。老舗から最近の人気店まで、あなた好みのハントンライスは！？

それでは各店のハントンライスをご紹介！はじめは昭和32年創業の金沢の有名老舗洋食店「グリルオーツカ」のハントンライス。ケチャップライスの上に半熟卵、カジキマグロと小エビのフライが2つずつ。卵を焼く時に揚げたてのフライも一緒に入れて、片面だけ半熟の卵を染み込ませて仕上げるのがこだわり。フライの表側はサクサク感を残し片方は卵がしみしみ♡盛りつけた時にフライが滑り落ちないよう絶妙の火加減で焼き上げているんだとか。

味の決め手は自家製タルタルソース。タルタルソースといえばみじん切りにした素材の食感が残っているものが一般的。でもグリルオーツカでは、素材を全てペースト状にしてトロリとしたタルタルソースを手作りしています。このなめらかなタルタルソースがグリルオーツカのハントンライスの味の決め手。自然と笑顔になっちゃう美味しさです♪

昭和レトロな店内は温かみがあって、手入れが行き届いた気持ちのいい空間。ここでハントンライスを食べるとなじみの人達は、味と一緒に思い出がよみがってきて懐かしい想いに駆られるんだとか。私も久しぶりに食べて子供の頃の思い出が鮮やかによみがえってきました。昔からの味を守り続ける「グリルオーツカ」のハントンライスを味わってみてはいかが。

こちらは金沢市額新保の「JOHNかりおすとろ」の「野々市ハントン」。シェフが生み出したのは「パンチが効きつつそれぞれの味がからみあったハントンライス」。ケチャップライスには玉ねぎやベーコン・ピーマンなど具をしっかりIN。塩コショウは強め。半熟の薄焼卵、白身魚のフライ、毎日仕込むタルタルソース、上には刻んだピクルスやバジルチップを散らした自慢のメニューです！

創業当時にお店があった野々市にちなんで名づけられた「野々市ハントン」。押しポイントはもう一つ、新鮮な生の魚を使った絶品の白身魚のフライです。その日の仕入れ状況で魚はタラやカレイ・サワラなど様々。注文を受けてから衣をつけて揚げているので、サクサク・フワフワ♡これだけでもメニューの一品になるぐらい！

シェフの柴田さんは40年以上のキャリアがあり、これまでなんと2000以上のメニューを生み出してきたそう。今風のアレンジにも常に挑戦しながらも、昔懐かしい洋食へのリスペクトを忘れません。お店にはかつて修行し働いていた老舗喫茶店から譲ってもらったテーブルや椅子が大切に置かれています。古きものへの愛情、自分が昔、洋食を目にした時のトキメキを今の人達にも感じてもらいたい。そんなシェフの思いの詰まったお店です。

貫録さえ感じさせる2本の特大のエビフライがド～ン！ボリューム満点な一皿は、金沢の中心部・香林坊にお店を構える「金沢カレー＆ハントンライス だいだい」の「橙ハントンライス （だいだいハントンライス）」です！！

このお店の特徴は3つのソース。ケチャップとタルタルソースに加え、たっぷりのデミグラスソースもかかっています。タルタルソースは店名にもなっている柑橘類のだいだいを隠し味に使って手作り、デミグラスソースもこだわりの自家製です。最近は外国人観光客も多く、「Very good！」「Oh my goodness！」と国を越えた嬉しい感想も聞かれるんだとか♪

ノスタルジーを感じる店内は居心地のいい雰囲気♡新メニューも続々登場予定で、次はズワイガニのクリームコロッケをのせた特製ハントンライスも仲間入りするそう。とろけるカニクリームのコロッケがハントンライスとこれまた合うんです！（特別に試作段階のものを食べさせてもらいました～♪）登場が待ち遠しいですね。

こちらは週末になると約80もある席がほぼ満席となる人気洋食店「キッチンユキ」の特製ハントンライス、その名も「ユキ風ハントンベーキライス」です。こちらは卵の上に直接フライを置かないスタイル。格子状にかかったケチャップの彩りも鮮やかで、食べる前から食欲をそそられる～♪

「ユキ風ハントンベーキライス」の特徴は秘伝のしょうゆダレで炒めたライス！玉ねぎやベーコンも入っていて、このベーコンの塩味が程よくポイントになっているんです。ケチャップライスではなく日本人が慣れ親しんだ醤油味のライスで作るこの店ならではのハントンライス！昔から人気の定番メニューなのも納得です♡

ちなみに「ベーキライス」は、炒めたご飯という意味の「ベークドライス」から名づけられたんだとか。創業は昭和41年、白山市の国道8号線沿いにあって、昔ながらの洋食店の雰囲気がステキな「キッチンユキ」。週末になると7人ものコックが腕をふるう大人気店です。「帰省したら必ず行く！」という地元ファンも多いこちらのお店で、一味違うハントンライスを楽しんでみてくださいね♪

金沢の老舗デパート「大和 香林坊店」のレストラン「旬彩グリル 香林」からは2つのハントンライスをご紹介。1つ目は、大きめの海老フライとヒレカツのトッピングが特徴の「ハントンライス」です。

もう1つは「レトロハントンライス」。昔懐かしい昭和50年代～60年代に実際に提供されていたハントンライスを再現したメニューです。百貨店最上階のレストランで頂く名物グルメは特別な美味しさ！子供から年配の方まで誰もが楽しめるよう、洋食・和食・麺類と幅広いメニューがあるのも魅力です。

窓側の席からは、いしかわ四高記念公園や金沢の街並みなど四季折々の景色が楽しめます。「旬彩グリル 香林」のある百貨店は金沢の中心部にあってアクセスも良く、デパ地下にはお土産処もたくさんあるのもおすすめポイントです。席数も約100席と多いので大人数でも利用しやすいですよ♪

各店の特徴を総ざらい！その美味しさをまとめてみました。ハントンライスの魅力は、日々進化中。昔懐かしの金沢の洋食の味をぜひ堪能してみてくださいね！！

（写真・文：坂爪奈津子・石川県大好きフリーライター、元NHK金沢アナウンサー）

■グリルオーツカ■

老舗ならではのベーシックながら奥深いハントンライス。なめらかなタルタルソースもぜひ。

■JOHNかりおすとろ■

ピクルスやバジルのアクセントが効いた美味しさ。白身魚のフライもじっくり味わって。

■金沢カレー＆ハントンライス だいだい■

大きな海老フライ2つが象徴的な逸品。ソースは3種類かかっている。

■キッチンユキ■

ライスは秘伝のしょう油だれで味付け。洋食に和のエッセンスもプラスされ食べやすい美味しさ。

■旬彩グリル香林■

窓際の席からは金沢の街並みを眺めながら2種類のハントンライスをどうぞ。