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多くの人達に愛されている「金沢おでん」の特徴は地元ならではの食材を取り入れていることです。
例えば・・・「カニ面」「車麩」「ひろず」「赤玉」 などなど、何のおでん種か分かります？

お腹も心も温めてくれる金沢おでんってホント美味しいんです♪

加賀百万石の石川県が大好き！元テレビ局アナウンサー、現在フリーライターとして石川の魅力を全国発信している坂爪奈津子がその魅力を解説します！

今回ご紹介する金沢おでんの老舗５店舗は、金沢市の中心部に集中していてアクセスも良好◎ マップでそれぞれの位置関係を把握しておくと予定も立てやすいですよ。

さぁ、お待たせしました！ここからは「金沢おでん」のお店、しかも50年以上も続く老舗ばかりをご紹介していきますね！！
 
まずは「菊一」。創業は昭和9年、その歴史は約90年です！

おでんの出汁は創業当時から足し続けている、金沢の大野しょうゆベースのカツオ昆布だし。
温度管理がいちばんの要で、日々の気温の変化に合わせて丁寧に調整している伝統の出汁です。

「菊一」で冬の短い時期だけ味わえる逸品が「カニ面」。お店の初代が考案し今では金沢おでんの名物となりました。
ズワイガニの雌の「香箱ガニ（こうばこがに）」をおでん種にするなんて、発想がスゴイ！！
 
甲羅にはカニ味噌や赤い内子、更に脚のむき身や外子がた～っぷり♡おでんの出汁がしみしみです。食べ終わった後には甲羅酒のお楽しみも♪
 
旬のカニしか使わないため食べられるのは11月初旬から12月29日頃までの期間限定になっています。しかも期間中でも天候によって漁が行われないとメニューに並ばないことも。
 
カニ面づくりは全部手作業！手間暇かかっている貴重な冬の味をどうぞ～！！

菊一のおでんは金沢らしい美味しい彩りも。写真中央の薄紫色の「ふかし」（はんぺん）は金沢のブランド野菜・加賀野菜の「金時草（きんじそう）」を練り込んだものです。
 
その右にある串は赤いうずまきのかまぼこの「赤巻」ともっちりとした加賀麩の「生麩」です。どれも本当に美味しいですよ～！！

金沢駅でも老舗のおでんが食べられます！「季節料理 おでん黒百合」は金沢駅直結の商業施設「金沢百番街・あんと」内にあるお店。
創業は昭和28年。元々は駅地下にあったのですが、移転・改装をして現在の店舗になりました。

創業から70年以上も継ぎ足している自慢の出汁は、削り方の異なる2種の鰹節に加え、にぼしや昆布からとっています。
この出汁をたっぷり吸ったのが「車麩（くるまふ）」。
 
生麩を棒に巻いて焼いたもので金沢に古くから伝わる麩です。とろとろの食感、あふれだす出汁の旨味に幸福感でいっぱいになります♡

自家製の「鰯つみれ」も味わってほしい一品。すり身を贅沢に使っていて、しっとりした食感に鰯の風味がフワッと広がります。

盛り合わせの手前にあるのはおでん種では珍しい「シュウマイ」。黒百合の常連さんには外せないメニューの１つです。出汁を吸ったシュウマイは口の中でホロホロッとほぐれて 肉の旨味が広がります。
 
駅ナカで気軽に金沢おでんが味わえる「黒百合」は午前11時からオープンしているのも嬉しいポイント。ランチにもおすすめですよ～！！

昭和11年創業、金沢では珍しい関東風の濃い味の出汁のおでんを楽しめるのが「おでん高砂」です。

「飲み物は？」「おでんは何にします？」と、お店の人が小気味よく声をかけてくれて食べる前から「おでん気分」が盛り上がります♡

おでん種の中でも存在感満点なのが「金沢ひろず」。ひろずとは金沢弁で「がんもどき」（ひろうす）のことです。
中には椎茸・人参・銀杏などが入っていて、色んな味や食感が楽しめますよ♪

こちらのお店では、大根やつみれなどのおでんに自家製しょうが味噌ダレがかかっています。
白みそとしょうがの風味がきいて、濃い味の出汁を吸ったおでんとよく合います♪

金沢おでんの名物・殻付きの「バイ貝」は、大ぶりのものを使っていて食べ応え抜群！味がしっかりとしみたバイ貝のぷりっとした食感を堪能できますよ～！！

昭和２年創業の「金澤おでん 赤玉本店」。醬油を使わない代々受け継がれる秘伝の出汁は、素材の魅力をひきたてる上品な味わいです！

おでんのメニューは約50種類！中でもひときわ彩りが鮮やかなのが、お店の名前にちなんだオリジナルおでん種「赤玉」。

パプリカで色付けした練り物にうずらの卵が入っています。赤玉に行ったらぜひ注文したい名物おでんです♡

アレコレ食べみたいという方は「おでんの盛り合わせ」を注文してみては♡ 一皿で北陸の海の幸・山の幸を楽しめます。
 
「金澤おでん 赤玉本店」は、テーブル席や座敷席も多めなので、グループでの利用にもおすすめ。

 お昼の12時オープンで、旅行プランに合わせて利用しやすいのもいいですね♪

最後にご紹介するのが、昭和32年創業の老舗「おでん よし坊」。まろやかで優しさに満ちたおでんを味わいながら、じっくりとお酒を楽しみたいお店です。
 
出汁は混合節に昆布、干ししいたけ、地元金沢のしょうゆ、日本酒、塩で整えたもの。ほんのりした甘みとあっさり加減が、金沢らしい味わいを感じさせます。

「よし坊」人気のおでんがこちら！ 一見すると普通のお揚げのきんちゃくですが、中にはよもぎもちが入っています。出汁をよく吸ったもちが揚げの中からトロッと出てきて、柔らかな旨味で口の中がいっぱいになります！

ぜひ皆さんに食べてほしいのが、私も大好きな「能登海女 手づみ天然ワカメ」。おでんにわかめ！？これがまさに組み合わせの妙！合うんです！！
磯の旨味・潮の香りが出汁と融合して、奥深～い味わいに。天然わかめならではのシャキシャキ感にも感動しました♪

そしていよいよ締めですよ～！
「よし坊」で最後に頂いたのが「汁かけごはん」。 ほっかほかのご飯に旨味たっぷりのおでん出汁をかけたもので、上質な雑炊のような味わいです！お腹がいっぱいでもおかわりしたくなるかも！？

石川の食文化の豊かさを気取らず・飾らず、心に染み入る美味しさで満喫できる「金沢おでん」。コトコトと煮込まれたおでんで、ほっこりと身も心も癒されてくださいね！！