横綱・大の里関が通った石川県津幡町ゆかりの地を巡る!飲食店&お気に入りスポット紹介
2025年に第75代横綱に昇進した、石川県津幡町出身の大の里関。6月に津幡町で行われた凱旋パレードには、その雄姿を一目見ようと約3万7000人が町内外から詰めかけました。そんな「津幡の星」大の里関が幼少期に通っていたという町内の施設やお気に入りの飲食店など、ゆかりの地をめぐります。
相撲王国・石川出身の横綱・大の里関
大相撲夏場所で2場所連続優勝を果たし、第75代横綱に就いた大の里関(本名:中村泰輝(だいき〉))。日本出身の横綱誕生は、師匠でもある二所ノ関親方(稀勢の里)以来8年ぶりとなり、初土俵から所要13場所での綱取りは史上最速の記録だったことから、大いに話題となりました。
昇進の伝達式で「唯一無二の横綱を目指します」と力強く語った姿は、記憶に新しいですよね。
そんな大の里関の出身地は、相撲王国・石川の津幡町。金沢市に隣接する自然豊かな町は、東京五輪女子レスリングの金メダリスト・川井姉妹(金城梨紗子さん・恒村友香子さん)を輩出したことでも知られています。
6月には町で横綱昇進祝賀パレードが行われ、オープンカーに乗った大の里関と二所ノ関親方が、沿道を埋め尽くす観客に笑顔で手を振っていました。
町内の至るところに「祝・横綱昇進」「唯一無二!」と書かれたポスターや横断幕が掲げられ、大の里関に憧れて相撲教室の門を叩く子どももいるそうで、まさに“大の里フィーバー”が巻き起こっているんです。
それではさっそく、町内のゆかりの地を見ていきましょう!
行きつけのすし店「鮨正」にはグッズもズラリ
JR七尾線「本津幡駅」から徒歩5分、津幡町庄にあるすし店「鮨正」は、大の里関が幼い頃から家族で通った行きつけのお店です。
カウンターには、大の里関のアクリルスタンドがずらり。まげを結う前の若武者スタイルから、横綱の証である真っ白なしめ縄を締めた勇姿までが並び、異例のスピード出世を実感させてくれます。
この日いただいた握りランチは、1,700円(税込)で、握り9貫に卵焼き、そうめん(またはうどん)、みそ汁、フルーツ付き!筆者に同行した食べ盛りの中学生の息子も、大満足のボリュームです。
大の里関はどれくらいの量を食べるのでしょうか。店主に尋ねたところ、ワサビ抜きの寿司を2人前ほどペロリと平らげるのがお決まりと教えてくれました。辛味が苦手なんて、意外ですね!
店では本場所中、大の里関が勝てば生ビール100円引きのサービスも行っています。
店の一角には、大きな全身パネルも。こちらは祝賀会のために制作したものを、大の里関の父親から譲り受けたんだそうです。
店を営む小山圭介さんは、「タオルやグッズが出たら買って店内に飾ろうと思っていた。まさか、こんなにたくさんのグッズが出るような力士になるとは」と目を細めます。
壁のホワイトボードには、大の里関の取り組み結果が記録されています。地元の常連客だけでなく、「横綱行きつけ」との噂を聞きつけて、宮城や愛媛など遠方から訪れるファンも。場所中は好角家が集い、テレビを見ながら盛り上がるそうです。
壁に手形を見つけ、横綱とハイタッチ!やっぱり、大きいですね〜!
基本情報
鮨正
住所:〒929-0327 石川県河北郡津幡町庄ト116
電話番号:076-289-3795
営業時間:11:30〜13:30、17:00〜22:00
定休日:水曜(祝日を除く)
駐車場:あり
大好物だという「もみの木カフェ」のベルギーワッフル
鮨正からもほど近い、本津幡駅から徒歩2分にあるベルギーワッフル専門店「もみの木カフェ」。レンガ造りの外観はカントリー調のかわいらしさがあり、まるでヨーロッパに来たかのようです。
お店を営む木下さん夫妻のお子さんと大の里関は、保育園・小学校の幼なじみで、家族ぐるみの仲なんだそうです。この店のベルギーワッフルは、大の里関の大好物のひとつ。地元に帰ってきた際はもちろん、本人からの要望を受けてワッフルを送ることもあるほどなんです。
店内を彩る豊富な種類のベルギーワッフルに、ついつい目移りしてしまいます。ベルギー人の店主が、母国の製法や材料にこだわって日々手作りし、本場の味を再現しているんです。
人気商品は、プレーン、ショコラフォンダン、メープルパール。中でも、ワッフルの中にチョコが入っているショコラフォンダンは、大の里関のイチ押し!迷ったときは、ぜひチョイスしてくださいね。
こんなかわいらしい商品もありました!その名も「だいきくんワッフル」。大の里関の本名「泰輝(だいき)」にちなむネーミングで、愛らしい笑顔をチョコレートで描いたショコラフォンダンワッフルは、数量限定となっています。
この「だいきくんワッフル」、実は大の里関と店主との何気ない会話から生まれたんだとか。もみの木カフェ金沢駅店に大の里関本人が来店した際のこと。「優勝したら、だいきくんのコラボワッフル作ろうかな」と店主が提案したところ、大の里関から「はいっ!」と二つ返事でOKが。
その後、スピード優勝を決め、約束通り「だいきくんワッフル」が誕生したんです。まわしワッフルとのセット商品は、贈り物としても話題性抜群ですね。
もみの木カフェは、今回訪れた本店と、テイクアウト専門の金沢駅あんと店があります。本店にはカフェスペースがあり、3種の異なるベルギーワッフルを焼きたてで味わえます。季節のフルーツやベリー、クリームやアイスなどのトッピングをお好みでセレクトして、「唯一無二」のワッフルをオーダーすることもできるんです。ワッフル入りのパフェや、ハムチーズやチキンチーズなどを挟んだ食事ワッフルのセットもおすすめですよ。
基本情報
家族で通った入浴施設「道の駅 倶利伽羅源平の郷 倶利伽羅塾」
大の里関の好物を堪能したあとは、彼が幼少期に家族で通った温泉で温まってはいかがでしょうか?
IRいしかわ鉄道「倶利伽羅駅」から車で約5分、富山県との県境にある「道の駅 倶利伽羅源平の郷 倶利伽羅塾」は、地元の物産の直売所やお食事処、宿泊施設、温浴施設、歴史資料館を備えた盛りだくさんのスポットです。
直売所には、倶利伽羅地区周辺で採取した山ごぼうの葉を入れた「倶利迦羅そば」など、津幡ブランド認定品をはじめ、地域の皆さんが育てた季節の朝採れ野菜が並びます。
春はたけのこや山菜、夏は新鮮な野菜、秋は栗や柿、冬は石川の伝統食であるかぶら寿司が人気だということです。
温浴施設「源平の湯」は、無色透明のアルカリ性で、町特産の竹炭を浮かべているのが特徴です。体の奥から温まるのはもちろん、古い角質や余分な脂質を取ってお肌をスベスベにしてくれることから、「美人の湯」と呼ばれています。日帰り入浴もできることから、町民の憩いの場として親しまれています。
大の里関は小学校低学年頃まで、家族とともにこの温泉に通っていたそうです。大の里関の父親と親交がある北川浩さん(倶利伽羅塾塾長補佐)は、「当時から体が大きく、物おじしなかった。活発で人懐っこい性格だった」と、相撲少年時代の「泰輝くん」を懐かしんでいました。
今年4月には、春巡業の大相撲津幡場所で再び訪れ、宿泊もしました。館内には、その際に残した大の里関や力士仲間たちのサインと手形が飾られており、来館者の目を引きます。郷土力士の存在が身近に感じられ、ファンにとって特別な場になっていること、間違いなしです!
大の里関がツーショット写真を撮った火牛(かぎゅう)のモニュメントは、道の駅の敷地内にある「歴史資料館 倶利伽羅源平の郷」に展示されています。
今から800年以上前、木曾義仲率いる源氏軍は、牛の角に松明をつけて夜襲をかける戦法「火牛の計」を用いて、平維盛率いる平家の大軍を撃ち破ったとされます。その激戦の舞台が、こちら倶利伽羅峠なんです。
津幡町後援会が大の里関に贈った化粧まわしも、源平合戦の「火牛の計」がモチーフとなっています。火牛のような突進力で、これからも相撲道を突き進んでほしいですね!
基本情報
道の駅 倶利伽羅源平の郷 倶利伽羅塾
住所:〒929-0426 石川県河北郡津幡町竹橋西270
電話番号:076-288-8668
営業時間:(源平の湯)火~日10:00~21:00、
月(祝日を除く)16:00~21:00 ※最終受付20:30
(直売所)7:30~21:00
(食事処 源平茶屋)11:30~15:30、17:30~最終入店19:20
(歴史資料館 倶利伽羅源平の郷)8:00~17:00 ※入館料無料
定休日:食事処のみ月曜(祝日の場合は翌火曜)
利用料:源平の湯 大人350円、小人200円
駐車場:50台(無料)
観光ついでに立ち寄れる!大の里関パネルと写真が撮れるスポット
金沢の玄関口・金沢駅の観光案内所では、大の里関をはじめとする郷土ゆかりの力士たちが、等身大パネルでお出迎えしてくれます。多くの観光客がこのパネルの前で写真を撮っている姿を見かけるので、必ずおさえておきたいフォトスポットです。
基本情報
金沢駅観光案内所
住所:〒920-0858 石川県金沢市木ノ新保町1-1 JR金沢駅構内(北陸新幹線改札口向い)
電話番号:076-232-6200
営業時間:8:30~20:00
<年末年始の営業時間>
12月30日 通常営業(8:30~20::00)
12月31日 8:30~19:00
1月1日 9:00~17:00
1月2日 通常営業(8:30~20:00)
定休日:年中無休
駐車場:金沢駅に隣接する有料駐車場をご利用ください
大の里関の軌跡をより深く知ることができ、相撲好きにはたまらないお宝が並ぶスポットもあります。JR七尾線/IRいしかわ鉄道の津幡駅から車で5分ほどのところにある「津幡町文化会館シグナス」では、大の里特別展示コーナーが設けられています。
まず目を引くのは、大きなのぼり旗!こちらは、4月の大相撲津幡場所で使用されたものです。
展示ケース内には、大の里関から町に提供された昨年9月場所の優勝額レプリカをはじめ、殊勲賞・敢闘賞・技能賞の三賞のトロフィー、天皇賜杯と内閣総理大臣杯のレプリカなどが飾られています。
入口正面には、パネルのほかに津幡場所の番付表もあります。「番付表の字って、すごくきれいに揃っていますよね」と指でなぞりながら眺めていると、「これは行司さんが場所のたびに手書きしているんですよ」と、職員が教えてくれました。
日本相撲協会によると、独特の相撲字で太くびっしりと書くことで、「お客様が会場に隙間なく入るように」という願いが込められているそうです。横綱・大の里関バージョンのパネルは現在制作中で、展示コーナーも多くの方に見てもらえるよう展示品を増やしていくそうなので、ぜひ期待していてくださいね!
基本情報
津幡町文化会館シグナス
住所:〒929-0342 石川県河北郡津幡町北中条3丁目1番地
電話番号:076-288-8526
開館時間:9:00~21:30
休館日:月曜、年末年始
駐車場:約150台
相撲ファンも観光客も楽しめる"大の里旅"のススメ
いかがでしたか?
土俵の上では、火牛さながらの圧倒的な押し相撲が印象的な横綱・大の里関ですが、実はワサビが苦手で、甘いものが大好き、家族仲がとってもいいことなど、親しみが湧く横顔をたくさん知ることができました。みなさんも、大の里関のふるさとをめぐりながら、ぜひ “唯一無二” の時間を楽しんでくださいね!