今回の旅のコースはこちら!
まち歩きジオツアー→道の駅一向一揆の里(白山百膳で昼食)→綿ヶ滝→白峰地域を散策→白峰温泉総湯
今回白山の旅に参加してくださったインフルエンサーをご紹介!
【徳前 藍さん】 石川県の地元情報を発信しているフリーアナウンサー。局アナ退社後、石川県のディープな魅力を発見するため、絶賛県内を放浪中。能の「金沢市伝統芸能伝習者」でもあります。
地元ガイドと巡るまち歩きツアーで鶴来の歴史に触れる
白山市では白山地域の魅力を地元ガイドと一緒に散策して体験する「まち歩きジオツアー」を行なっています。ツアーは松任・美川・鶴来・白峰の4コースから選べ、今回は山麓と平野をつなぐ街道として栄えた歴史情緒あふれる鶴来コースを体験してきました。
ツアーでは地元をよく知るガイドにご案内いただきます。今回案内いただいたのは公認ガイドの磯部雄三さん。ガイドを初めてかれこれ20年になるそう。なお、ツアーは最小催行人数2名からで、前日までに予約が必要です。
▲ガイドの方が着用するジャケットには「ようござった」の文字が。
鶴来の街を徒歩で2時間ほどかけて散策します。 今回の旅は『白山比咩(ひめ)神社』の表参道前に位置する『旧加賀一の宮駅』から始まります。現在は廃駅ですが、資料展示・休憩施設として利用されています。駅の裏には、現在の場所に移る前の『白山比咩神社』跡地でもある『古宮(ふるみや)公園』や、自転車道路『手取キャニオンロード』が通っており、サイクリングも楽しめますよ。
『旧加賀一の宮駅』の手前にあるのが、『手取川七ヶ用水』の大水門。石川県の多くの地域には手取川の水が流れています。1903年、手取川から取り入れる7つの用水が1つになりこの大水門が完成しました。
豊富な水量と迫力に徳前さんも「すごい」とカメラを向けていました。
今でこそ当たり前のように手取川の水を自然の恵みとして受け取っていますが、昔は氾濫が多く、雨が降れば洪水となり、日照りが続く夏には水かさが減り田畑が荒れるなど、この辺りに住む人たちの苦労があったそう。
七ヶ用水の歴史など、詳細はぜひガイドに尋ねてみてください。
次の目的地は、2100年以上の歴史を持つ『白山比咩神社』。霊峰白山を御神体とする全国約3000社もある白山神社の総本宮です。樹齢の永い木々に囲まれた表参道は、ゆっくり進みたくなるほど雰囲気たっぷり。この日は木漏れ日が差しており、冬でも気持ちよさを感じられました。
こちらは樹齢800年以上、高さ42m、幹の周りは10mにもなる御神木です。2本の木が根元でくっついていることから縁結びにもご利益があるそう。御神木からもパワーをいただきます。
今回磯部さんにご案内いただき、身を清める禊社(みそぎしゃ)や拝殿の後ろにある神殿も見ることができました。ガイドの方と周ることで、普段は気づかなかった新しい発見があるのもこのツアーの魅力です。
その後、真宗大谷派のお寺として、1903年に真宗大谷派金沢別院から独立した『鶴来別院』へ。本堂は気軽に立ち寄って欲しいとの思いから、平日の日中は開放されているため自由に出入りできます。本堂を初め、迫力ある装飾は圧巻です。
紀元前95年に創建されたと伝わる北陸最古の神社『金劔宮(きんけんぐう)』。昔には劔宮(つるぎのみや)と呼ばれたことから鶴来という地名の由来と言われます。秋にはほうらい祭りが行われます。
こちらは無料の休憩所として開放されている『横町うらら館』。約190年前に建てられた年貢米を納める商家だったそう。欄間や歴史を感じさせる家財が残る屋内で、のんびり休憩できます。
最後に伺ったのは、岩を彫って作られた磨崖仏(まがいぶつ)としては日本最大級の不動明王が鎮座する『一閑寺』。その高さは8mもあります。白山の開祖でもある泰澄大師によって掘られたのが始まりとされており、現在の像は江戸時代のもの。その迫力に徳前さんも大興奮の様子でした。
今回は鶴来コースの体験でしたが、他の地域も体験したくなりますね。
なお、ツアーには予定されたルートがありますが、参加者の要望や天候などを踏まえて、臨機応変にルートを変えられるそう。
季節やガイドの方が変わると、また違った鶴来の一面が垣間見えるのではないでしょうか。ガイドの磯部さんにはとても丁寧で優しくご案内いただきました。素敵なツアーをありがとうございました。
基本情報
まち歩きジオツアー
問合せ:白山市観光連盟
電話番号:076-259-5893
料金:各1,800円/1名
受入人数:2名〜10名
事前予約:前日までに要予約
道の駅 一向一揆の里で美味しい蕎麦を味わう
午前中にまち歩きで体を動かした後、お昼ご飯におすすめなのが『食彩館せせらぎ』。白山麓には美味しいお蕎麦屋さんがたくさんあるのですが、こちらの手打ちそばも絶品です。 白山麓の特産品を扱う直売所も併設しており、地域内外の方に親しまれていますよ。
今回いただいたのは人気メニューの「せせらぎ膳」(1,200円)。手打ちの二八蕎麦(冷または温)、鳥越産米のご飯、木滑(きなめり)地域のなめこを使った小鉢、わらび餅がついてきます。売り切れ次第終了なのでご注意を。
それでは早速いただきましょう。トッピングで生卵を追加し、卵かけご飯に。
蕎麦は香り豊かでコシもしっかりあり、甘めの出汁も美味しかったです。なめこの小鉢は、「なめこってこんなに美味しいんだっけ」と思うくらい、食感も味も良くご飯にも蕎麦にもとても合います。最後はわらび餅をいただいて、ご馳走様でした。
こちらは事前に精算し、番号札が呼ばれたら受け取りに行くスタイル。広々とした店内にはテーブル席と小上がりの座敷がありくつろげますよ。白山麓に来たら美味しい蕎麦を食べに訪ねてみてはいかがでしょうか。
基本情報
食彩館 せせらぎ
住所:石川県白山市出合町甲36(道の駅一向一揆の里内)
電話番号:076-254-2888
営業時間:直売所 9:00~16:00(11月中旬~3月 10:00~)
そば処 11:00~16:00(11月中旬~3月 ~15:00)
定休日:GW~11月中旬/第1・3月曜日(祝日の場合は翌日) 、11月中旬~GW/月曜(祝日の場合は翌日) 駐車場:48台
席数/34席
迫力満点の人気スポット手取峡谷・綿ヶ滝
写真提供:白山手取川ジオパーク推進協議会
お腹を満たした後は手取川の雄大な自然に触れられる絶景スポットをご紹介。
『道の駅 一向一揆の里』から車で10分、手取峡谷の自然を身近に感じられる『綿ヶ滝』があります。落差は32m。綿をちぎって落としたような姿からその名が付いたそうです。
滝の近くまで下りる階段は約130段あり、場所によっては滑りやすいため注意が必要です。降りるのが難しい場合は、駐車場から遊歩道を150mほど歩いたところに展望台があり、手取峡谷と綿ヶ滝を一望できますよ。
取材時は冬ということもあり、積雪のため綿ヶ滝を間近で見ることはできませんでしたが、近くにある不老橋からは冬の手取峡谷を見ることができます。手取川を流れる水の深い青色と、峡谷が作り出す景観はどの季節に見てもハッとするほどの美しさですよ。
基本情報
綿ヶ滝
住所:石川県白山市下吉谷町ホ1-4
電話番号:076-274-9544(白山市観光課)
アクセス:白山ICから国道157号線を南へ50分 金沢駅から60分、松任駅から45分
駐車場:60台
豪雪地帯に形成された白峰集落を散策
日本三名山のひとつ「霊峰白山」の入り口でもある白峰(しらみね)地域。豊かな自然に囲まれ、冬には積雪量が4mにもなる豪雪地帯としても知られています。白峰には歴史的な街並みが今なお残っており、2012年には重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。ここでツアー・登山ガイドを行う『白山しらみね自然学校』の体験ツアーに参加してきました。今回ご案内いただいたのは気さくでお話も面白い山口隆さん。初めに白峰の特徴や歴史などについて説明をいただきました。
▲「何を話してるんだ〜」とその様子を伺いに来る猫がまた可愛い。
白峰の町並みでまず目につくのが家々の屋根にかかる梯子。これは雪下ろしの作業のために屋根にあがる為です。今では屋根に融雪装置をつけている家も見られます。
白峰の家の構造は3階建てが基本で、1階は居住、2階は作業部屋、3階が倉庫となっているそう。2階部分に「大背戸(おおせと)」といわれる縦長の窓を設けているのも特徴です。
「白峰地区はかつて養蚕や製炭などで栄え、薪や道具などを出し入れするためなんです。」と山口さんは教えてくれました。
豪雪地帯ならではの流雪溝(りゅうせつこう)について説明をいただきます。流雪溝とは、捨てた雪を流水の勢いで運ぶ排雪装置のこと。白峰のような豪雪地域では生活や交通の面でも非常に大きな役割を果たしています。
山口さんおすすめの白峰名物「とち餅」を食べに、『志んさ本舗』に立ち寄りました。白峰に古くから伝わる食文化でもあり、「堅豆腐」と「とち餅」は白峰の2大名物です。
白峰のような山間部ではかつて米が貴重であったため、少しでも多くの主食を確保するため、白米にとちの実などを混ぜて食べる習慣があったようです。
どことなく懐かしさを感じさせるとち餅。とちの実の豊かな香りと餡子の甘さが口いっぱいに広がります。木の実ならではのさっぱりとした後口も特徴です。
とちの実は採れる期間が9月中の1か月間ほどと短く、皮をとり、アク抜きをして、蒸してと食するまでに大変な労力がかかります。それでも、今日まで大切に受け継がれてきた郷土の味をぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
白峰地区にある『林西寺(りんさいじ)』には、もとは白山の山頂付近にあった仏像「白山下山仏(はくさんげざんぶつ)」が祀られています。明治政府が神仏習合の慣習を禁止した「神仏分離令」によって、白山に安置されていた仏像も山を追われたからです。当時の住職が仏像数体と泰澄大師座像を下山させ、林西寺に安置したそう。この中の銅造十一面観世音菩薩立像はその文化的歴史的価値から国指定重要文化財に指定されています。
教科書で知るような出来事でも、こうして実際の話として伺うと、壮大な歴史の中での当時の人々の思いを感じられます。
白峰は江戸時代に幕府直轄の地「天領(てんりょう)」として中心的な集落でした。そこで取次元を代々努め、酒造や養蚕、木材、金融など経済活動を行っていた山岸家の住宅へご案内いただきました。『旧山岸家住宅』は白峰地区の中でも伝統的な住宅様式を伝える民家であり、高い歴史的価値がありますが、過疎化が進む中、管理などが大きな課題でもあるそうです。
今回のまち歩きを通して、白峰は豪雪地区といった気候風土の中、養蚕などを生業としてたくましく発展してきたことを知りました。厳しい自然環境にある山村集落ですが、その集落自体に歴史的価値があるのではないでしょうか。
近年では移住定住する若者もおり、人と人とのつながりの暖かさを感じさせる白峰地区。山口さんの「コミュニティが宝です」という言葉が印象的でした。
今回のツアーの集合場所でもある『菜さい』では、白峰名物のとち餅や堅豆腐はもちろん、手作りの手芸品や民芸品も販売されています。皮付きのジャガイモを醤油と砂糖で煮込んだ郷土料理の「かっちり」もおすすめですよ。
基本情報
白山しらみね自然学校
住所:石川県白山市白峰ロ131番地
電話番号:090-4686-923
営業時間: 9:00~16:00
料金:予約人数やコースにより料金が異なる。料金は予約時に要確認。
定休日:不定休
駐車場:あり
白峰温泉で旅の疲れを癒そう
最後にご紹介するのは、白峰地区にある『白峰温泉総湯』です。 2008年にリニューアルオープンしました。先ほどの『菜さい』すぐ目の前、徒歩で行ける場所にあります。
天然温泉100%の源泉の泉質は、ナトリウム炭酸水素塩温泉。「絹肌の湯」といわれるほど泉質はなめらかで、湯上りの肌がつるつるになると人気です。
大浴場は週替わりで男湯と女湯が交代します。内湯にはサウナや水風呂などもありますよ。泉質は、美肌効果の他に、神経痛や筋肉痛、疲労回復等にも効果があるとされています。
露天風呂は岩風呂や檜風呂などを楽しめ、湯船から山あいの景色や四季折々の手取川を愛でることができます。真っ白な雪景色に包まれた山々を眺めながら入るのも気持ちが良いですが、新緑の季節に緑に囲まれて温泉に入るのも風情がありますよ。
「良いお湯でしたー!」と徳前さん。観光の終わりに、旅の途中に、疲労回復や肌にも良い白峰温泉で体をポカポカとあたためてみてはいかがでしょうか。館内は綺麗で雰囲気もよく、お風呂上がりにのんびりできます。
白峰温泉の杉田さん。実は先ほど菜さいで購入した「かっちり」をつくられているそうです。
かっちり用のジャガイモを持っていくと、入浴券と交換してもらえるそうですよ。
基本情報
白峰温泉総湯
住所:石川県白山市白峰ロ9番地
電話番号:076-259-2839
営業時間: 平日12:00〜21:00
土日祝日10:00〜21:00 ※最終受付20:30
料金:中学生以上670円
小学生360円
3歳以上260円
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
駐車場:あり
今回の旅はこれでおわり!
今回は、石川県白山市で白山の雄大な自然の恵みを感じる旅をご紹介しました。金沢出身の徳前さんも「こんなに知らないことがあるのだなと、もったいないことをしていました! 石川県ってこんなに楽しいところなんだなと実感しました!」と大絶賛。
ガイドしていただくと普段とは違ったその土地の魅力を再発見できます。アクティブな大人の皆様、ぜひ白山市で素敵な旅をお楽しみください。
コースマップ
- 旧加賀一の宮駅
- 白山比咩神社
- 鶴来別院
- 金劔宮
- 綿ヶ滝
- 白峰 重要伝統的建造物群保存地区
- 白峰温泉総湯
- 白峰特産品販売施設 菜さい
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