加賀の大自然に触れ、木や森の素晴らしさを体感|加賀市山中温泉


218ビュー 2023.04.25投稿
ほっと石川旅ねっと体験ライターの酒井恭子です。

今回は、加賀市山中温泉で山中漆器の技術を木工ろくろで体験し、樹齢約2000年にもなる大きな杉に触れて、自然あふれる山奥の散策スポットにも足をのばしてきました。
 

木の香りを感じながら!木工ろくろ体験

今回訪れたのは、加賀市山中温泉。
開湯1300年の歴史を持つ、豊かな自然にあふれた温泉地です。

ここは「塗りの輪島」「蒔絵の金沢」に並ぶ「木地(きじ)の山中」として知られる県内の漆器の3大産地。
木目模様を生かして自然な風合いを表現する「山中漆器(山中塗)」は、普段使いやお土産としても人気です。
 
そんな山中漆器の魅力を体験できる施設が『mokume(もくめ)』。
山中温泉の中心にある通り「ゆげ街道」から少し入った、立ち寄りやすい場所にあります。
漆を塗る前のお椀や盆などの木工品を加工する職人は「木地師」と呼ばれますが、
その木地師と同じように、木工ろくろを使って木の箱や器をつくる体験ができるんです。
わたしは「森の小箱作り」を体験することにしました!
箱やフタの形は好みで自由に作ることができます。
見本を参考に形やイメージを決めたら、さっそく体験スタートです。
削る前の木はこんな形。
国産のケヤキの木を使用しています。
これをクルクルと回る木工ろくろにセットしたら、カンナという刃物を当てて削っていきます。
手にガガガッと振動が伝わり、カンナがすべっちゃうのでちょっと怖い!
でも、店長の佐藤さんがマンツーマンで丁寧に指導してくれるので安心です。
しっかり支えて、カンナを動かす方向も教えてもらい、少しずつコツをつかめてきました。
グッとカンナを押し当てると、木の形が変わって、丸みのあるフォルムに変わっていくのがおもしろい!
フタの先のちょこんと飛び出た部分も、教えてもらった通りにカンナを動かして、少しずつ削り出していくと、いい感じー!
最後に、底に日付や名前を刻印すれば、自分だけの作品のできあがりです!
中をくり抜く作業は少し難しいのでお店で仕上げ、磨いてツヤを出して約1週間後に発送してくれます。
完成作品はこんな感じ!手のひらにちょこんと乗るサイズで、このフォルム。
とんがったフタが小人の帽子みたいで、かわいすぎる・・・♡
磨きがかかってツヤツヤになり、木の温かみも感じられるステキな小箱になりました。
アクセサリーかな?小物かな?何を入れようかわくわくしちゃいます。
この他、シチューやサラダボウルにぴったりな木のお椀を作る「ハイジな器づくり体験」や、漆やオイルで仕上げる本格的な「木の器づくり体験」というメニューもあります。
木の香りを感じながら、自分の力で新しいものを削り出していくという、とても刺激的な体験でした。
山中温泉散策の際に、ぜひ立ち寄ってほしい体験スポットです。

mokume(もくめ)

【住所】石川県加賀市山中温泉栄町二-60
【電話番号】0761-78-1757
【定休日】木曜(祝日の場合は営業)
【駐車場】徒歩2分圏内の「山中温泉観光無料駐車場」利用可

〈"1日5組様限定" の 体験 MENU〉
【体験料金】森の小箱づくり体験:4,400円、ハイジな器づくり体験:4,950円、木の器づくり体験:7,700円
【体験時間】10:00~16:00
【体験対象】小学生以上
※いずれの体験も完全予約制。
››じゃらん遊び・体験予約はこちら
››mokumeの公式サイトはこちら

山中温泉のパワースポット!2000年の時を重ねる『栢野(かやの)の大杉』

続いて、木のパワーをもっと感じたい!と、山中温泉街から南に2㎞ほど車を走らせて立ち寄ったのが『菅原神社』です。
鳥居をくぐると神社内にそびえ立つのが、樹齢2300年とも言われる御神木『栢野の大杉』
中央には浮橋参道が奥まで設置され、大杉をより近くで見られるようになっています。
二つに枝が分かれた特徴的な形をしている方が『栢野の大杉』で、国の天然記念物にも指定されています。
昭和22年に昭和天皇が北陸を訪れた際にご覧になったことから「天覧の大杉」とも呼ばれているんですよ。
下から見上げるとより迫力がある!
幹の周囲は約11m、高さは約54m。
大きな幹から伸びた枝には青々とした葉が茂り、長い時を重ねてきた堂々と風格のある姿に圧倒されます。
境内の立て札には「大杉の根を傷めたくない、でも御参拝の皆様に大杉を近くで観て、触っていただきたい」そんな目的で浮橋参道を架けたと記載がありました。
そっと触れてみると、直接木のパワーを感じられる気がしましたよ。
この大きな存在感の前では、小さな悩みやモヤモヤはどうでもよくなっちゃいますね・・・。
元気になりたい時にぴったりの、まさにパワースポットです!
お向かいのお茶屋さんでは、よもぎをたっぷり使った昔ながらの草だんごも販売されており、こちらもおすすめですよ。

栢野の大杉(かやののおおすぎ)

【住所】石川県加賀市山中温泉栢野町ト10-1
【電話番号】0761-78-0330(山中温泉観光協会)
【駐車場】あり(3台)

››栢野の大杉の詳細はこちら

美しい森や川。豊かな自然に囲まれて癒やされよう

ここまで来たら、さらに足をのばして行ってみたいところがあったんです。
くねくねの山道を通り、山の奥へ奥へと車を走らせること30分。
美しい緑に囲まれた集落「杉水(すぎのみず)町」に到着しました!
ここはかつて、炭焼きを主な産業として栄えていましたが、過疎化が進んで限界集落になってしまいました。
しかし、ここで生まれ育った方たちが、「貴重な文化や豊かな自然を絶やしたくない」、「自分たちで町を活性化したい」と、蔵や古民家を改装するなどして、新たな魅力をプラスし週末のみ開放。
癒やしスポットとして話題になり、今では家族で楽しめる場所として人気を集めているんです。
平成23年には、加賀東谷地区として、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選ばれました。
緑がいっぱいで、川の流れる音が心地良くて、空気がおいしい~!
マイナスイオンたっぷり!

昔ながらの建物も数多く残されていて、なんだかタイムスリップしたような気分にもなります。
さっそく周辺をてくてくと散策してみることに。
こちらは『吉備神社』。ケヤキでできている珍しい鳥居があり、歴史を感じます。
『古民家資料館』は大正5年に建築された集落最大級の民家。
杉水の伝統的な建物は、赤い瓦と室内の煙を外に逃がす「煙出し」があるのが特徴です。
森の中には、ツリーハウスもありました!
ツリーハウスの上まで登ってみると、集落が一望でき、赤い瓦と「煙出し」のある屋根がよく見えました。
また、杉水には古民家を改装したそば処や、この場所で栽培された農作物を使った薬味を販売するお店などもあり、食事や買い物を楽しみながら散策することができます。
そして、特に人気のお店が焼き菓子をいただけるカフェ『MAGNOLI(マグノリ)』です。
開店前から行列ができることもあるのだとか。
土蔵を改装したお店は、大きな木々に囲まれた雰囲気のある佇まいです。
ショーケースには、さまざまなマフィンやタルトなどが並びます。
地元の果物や野菜を使い、小麦粉や砂糖・卵なども体に優しい素材を厳選。どれも素材を生かした優しい味わいが魅力です。
マフィンや焼き菓子はテイクアウトも可能。
川沿いにはちょっとした広場もあるので、外でいただくことにしました。
切り株が自然のテーブルやイス代わり!
ふんわりしっとり。口どけもよくてすごく美味しい!
甘さ控えめだけど素材の味をしっかり感じて、自然の恵みを味わっているような、そんなマフィンです。
緑に囲まれた気持ちのよい空間でいただくと、さらに美味しく感じる気がしました。
豊かな自然の中で、ゆっくりと時間が流れるような週末の癒されスポット。
長く石川県で過ごしていても、まだまだ知らない魅力的なエリアがあるのだなと実感しました。

木工ろくろで木の香りや手触りを感じ、歴史を重ねた木のパワーをもらって、緑いっぱいの場所でマイナスイオンをたっぷり浴びる・・・。
加賀市山中温泉で、木や森の素晴らしさを改めて感じてみてはいかがでしょうか。

杉水(すぎのみず)

【住所】石川県加賀市山中温泉杉水町
【電話番号】090-2834-6388 ※一般社団法人 杉水(霜下様)
【定休日】12月~3月は雪のため見学不可
【営業日】土・日・祝日のみ散策可
【駐車場】全6カ所、計約40台
※各店舗利用時は店舗前、散策のみの場合は吉備神社裏・川沿いの桜の木横駐車場の利用を推奨
››杉水の公式サイトはこちら

MAGNOLI(マグノリ)

【住所】石川県加賀市山中温泉杉水町ハ103-1
【電話番号】090-8097-0487
【定休日】月~金曜 ※12月~3月は冬季休業
【営業時間】土・日・祝日の11:00~16:00
【駐車場】約6台
 ※『もりのあそびば くるけ』との共用駐車場約10台も利用可
【料金】マフィン380円~、タルト480円~
››MAGNOLIのInstagramはこちら