能登半島をもっと深く!地元ガイド“能登デスク”が選ぶ穴場観光10選
地震からの復興が進む今、「今こそ訪れてほしい」と語るのは、能登観光の案内人・中山智恵子さん。九州出身ながら、能登の自然や人の温かさに惹かれ、8年前からその魅力を発信し続けています。
金沢駅構内の「能登デスク」で観光案内を行いながら、SNSや講演など多方面で活躍中。震災後も「#私の愛してやまない能登」を合言葉に、全国に“能登の今”を届けてきました。
そんな中山さんに、地元目線で選ぶ“本当におすすめしたい能登の魅力”を伺いました。王道の観光地だけでなく、季節ごとの楽しみ方やグルメ、穴場スポットまで、今だからこそ行きたい、能登の旅をご紹介いたします。
はじめに|能登半島ってどんな場所?地図で見るエリア全体像
能登半島は石川県の北部に位置し、日本海に大きく突き出ています。
大きく「口能登(くちのと)」「中能登(なかのと)」「奥能登(おくのと)」の3つのエリアに分けられ、それぞれに異なる魅力があります。
能登半島の地形は、北側の「外浦(そとうら)」と南側の「内浦(うちうら)」で大きく異なります。
日本海の荒波に削られた外浦は、切り立った断崖絶壁や奇岩が続くダイナミックな景観が特徴。
一方、穏やかな七尾湾に面した内浦は、静かな入り江が広がり、のどかな里海の風景を楽しめます。
能登デスクが本当にすすめる!能登観光スポット10選
能登の観光案内といえば「能登デスク」。
金沢駅構内の観光案内所の一角に設けられた“能登デスク”は、能登の旅行・観光情報を発信する、まさに案内の要といえる存在です。
今回は、そんな「能登デスク」の担当者・中山智恵子さんにお話を伺いました。
独自の視点と確かな知識でおすすめする、能登の穴場観光スポット10選をご紹介します!
(1)絶景が広がる自然スポット
1.白米千枚田(しろよねせんまいだ)(輪島市)
絶景スポットといえば、世界農業遺産にも登録され、国の名勝にも指定されている「白米千枚田」。
海岸に面した急斜面に、1004枚もの棚田が連なる、能登の里山里海を象徴する景観です。
隣接する道の駅から見下ろす千枚田は、空・海・水田が織りなす三層のコントラストが美しく、時間帯や季節によってさまざまな表情を見せてくれます。
なかでも夕刻には、日本海の水平線に沈む夕日が棚田を照らし、黄金色に輝くその光景はまさに圧巻です。海からの風や、能登の澄んだ空気とともに、五感で“体験”してほしい場所。実際に訪れてこそ味わえる、想像以上の感動がここにあります。
中山さんおすすめの“絶景”がもう一つ。
道の駅・千枚田ポケットパークで買える、白米千枚田のお米を使った「おにぎり」です。
千枚田を目の前に味わうおにぎりは、中山さんいわく「ぜひ食べてほしい“絶景”」。「おにぎりすら絶景」という名言、実際に訪れて食べてみれば、きっとその意味がわかるはずです。
さらに、輪島のソウルフード「かかし」も一緒に味わいたいお手軽グルメ。うずらの卵、赤ウィンナー、フランクフルトを“かかし”に見立てた串揚げです。
絶景を背景に写真を撮りたくなるところですが、ひとつ注意点が。一歩外に出ると、トンビが上空から狙ってくることもあるそうです。実際に中山さんも、「かかし」を奪われた経験があるとのこと。くれぐれもお気をつけて!
店舗情報
道の駅 千枚田ポケットパーク
石川県輪島市白米町ハ部99-5
0768-34-1004
【営業時間】売店:10:00~15:00/レストラン:11:00~14:00
【定休日】 月~木曜日
※2025年現在、金・土・日・祝の週末のみ営業を再開しています。
2. 見附島(みつけじま)(珠洲市)
まるで海に浮かぶ軍艦のような姿から「軍艦島」とも呼ばれる、高さ約30mの巨大な岩礁です。
震災後の海底隆起により、さらに間近に感じられるようになったこのスポット。島の外周は地震によって一部が崩れ、その形は少し変わってしまいましたが、島としての凛とした佇まいは今も変わりません。
かつては鋭く尖っていた見附島ですが、上部の角が取れて丸みを帯び、今ではまるで能登の地を静かに見守る“おじいさん”のようなやさしい雰囲気に。崩れやすい珪藻土でできているにもかかわらず、その姿をとどめている見附島。
中山さんは「よく残ってくれた」と、その存在に感謝し、より一層の愛おしさを感じるようになったと語ります。能登を訪れるなら、ぜひ目にしておきたいシンボルのひとつです。
3.巌門(がんもん)(志賀町)
外浦をドライブがてら立ち寄ることができる、志賀町の景勝地。
入り組んだ地形に、日本海の深いブルーが映える――自然が作り出した造形美を堪能できます。なんといっても、ここから望む日本海の美しさはまさに絶景。
陸から眺めたり、岩場を散策したりするだけでも十分に楽しめますが、「ここは絶対に遊覧船に乗ってほしい」と中山さんは語ります。
海から眺める巌門は、陸から見るそれとはまったく異なる美しさがあり、日本海の“ふたつの顔”を楽しめる貴重なスポットとのこと。お天気の良い日には、ぜひゆっくりと訪れてみてください。
3.巌門(がんもん)(志賀町)
外浦をドライブがてら立ち寄ることができる、志賀町の景勝地。
入り組んだ地形に、日本海の深いブルーが映える――自然が作り出した造形美を堪能できます。なんといっても、ここから望む日本海の美しさはまさに絶景。
陸から眺めたり、岩場を散策したりするだけでも十分に楽しめますが、「ここは絶対に遊覧船に乗ってほしい」と中山さんは語ります。
海から眺める巌門は、陸から見るそれとはまったく異なる美しさがあり、日本海の“ふたつの顔”を楽しめる貴重なスポットとのこと。お天気の良い日には、ぜひゆっくりと訪れてみてください。
(2)人とのふれあいが魅力の体験スポット
1.復興支援ツアー
今だからこそ、ぜひ体験してほしいのが「震災を学ぶ復興支援ツアー」です。
震災後に立ち上がったこのツアーは、珠洲・輪島・七尾・能登島など各地で実施されており、地域の現状を“見て・聞いて・感じる”ことができます。
被災した場所を巡りながら、震災の影響や復興の進捗はもちろん、その土地の歴史や文化、見どころについても学べる内容となっています。
聞きにくいけれど本当は聞いてみたいこと、地元の人が伝えたい想い。このツアーでは、そうした声に直接触れられる貴重な機会が得られます。
現地を訪れるからこそ聞けるリアルな言葉や体験は、能登の今を知るだけでなく、これからの防災を考えるきっかけにもなるはずです。予約は各公式サイトから可能ですが、すぐに満席になることも多いため、参加を希望する場合は早めの申し込みがおすすめです。
2.能登島ガラス工房(七尾市)
能登島ガラス美術館の目の前にある「能登島ガラス工房」。
ここでは、初心者でも気軽に参加できるガラス作り体験が楽しめます。オリジナルのガラス作品を、自分の手で作れる貴重な体験です。選べる形や種類は、なんと19種類!
さらに、好きな形と色を組み合わせて、文字通り“世界に一つだけ”の作品が完成します。能登島で作る、世界で一つだけのガラス。その思い出を、かたちに残してみてはいかがでしょうか?
<番外> 不動滝(中能登町)
中能登町にある、落差約20メートルの滝。不動明王を祀る不動尊にちなんで「不動滝」と呼ばれています。
その昔、泰澄大師がこの地を開いたと伝えられ、もともとは「熊野滝」という名でしたが、滝つぼの横に不動尊が安置されたことから現在の名称で親しまれるようになりました。近くには不動堂も建てられています。
毎年7月5日の滝開きを皮切りに、夏場は涼感たっぷりの避暑スポットとして地元でも人気です。
そしてここは、滝行体験ができるという珍しい滝のひとつ。
中山さんご自身はまだ体験したことがないそうですが、「もしこの取材が来たら……ある意味“今行きたくない能登”です(笑)」と冗談交じりに話してくれました。
滝に打たれるという非日常を味わってみたい方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
(3)地元の味を楽しむグルメスポット
1.能登丼
能登は、海鮮、能登牛、能登豚、牡蠣、ふぐなど、まさに“食の宝庫”として知られています。
その中でもぜひ味わっていただきたいのが、能登の魅力がぎゅっと詰まった「能登丼」です。「能登丼」と名乗るには、実は以下のすべての条件を満たす必要があります。中身だけでなく、器や調理法にまで能登の恵みが込められた、特別な一杯なのです。
<能登丼の定義>
奥能登産の米・水を使用
メイン食材に、地場で獲れた旬の魚介類、能登で育まれた肉類・野菜、または地元産の伝統保存食を使用
能登産の器と箸を使用
健康・長寿・ヘルシーにこだわっている
能登らしいオリジナリティがある
奥能登地域内で調理・提供されている
能登丼で使用される箸は、お土産として持ち帰ることが可能。食事の満足感と、旅の思い出を同時に味わえる、まさに“一杯で二度おいしい”体験です。
そのバリエーションは実に多彩で、能登エリアのお店では、個性豊かな能登丼に出会えます。
「どの能登丼にしよう?」と迷う時間すら、旅の楽しみのひとつ。下記のサイトでは、地図や食材からお店を検索することもできます。ぜひ、自分だけの一杯を探してみてください。
選ぶ楽しさから始まり、食べておいしく、写真に残して振り返り、さらに次の旅の計画へとつながっていく。
旅全体の魅力と満足感を高めてくれる、そんな体験が「能登丼」には詰まっています。
2.能登島 ひょっこり温泉(七尾市)
能登島のほぼ中心に位置し、海を望む大露天風呂が魅力の天然温泉施設。
その館内にある「島の湯食堂」のメニューが、じつは“穴場グルメ”としておすすめです。まず目を引くのは、看板メニューの「能登島バーガー」。
「白」「黒」「ふぐ」の3種類があり、それぞれに能登島らしい個性が光ります。
「白」:能登三元豚のとんかつ
「黒」:島のアオリイカ&能登ミルクのクリームコロッケ
「ふぐ」:能登ふぐの唐揚げ
いずれもここ能登島でしか味わえない、希少なご当地バーガーです。見た目のインパクトはもちろん、味もボリュームも期待以上のクオリティ。
しかし、中山さんが激推しするのは、同じく館内食堂のもう一つの人気メニューラーメン!
一見シンプルな昔ながらのラーメンですが、その味は「お母さんが作る手作りごはんのような、素朴だけど体に染み渡る味わいで、とってもおいしい!」とのこと。
実際、2025年夏の人気メニューランキングでも、堂々の第2位にランクインしています。さらに、食堂の小鉢メニューもすべて手作りで、家庭的な温かさが感じられる逸品揃い。温泉で癒されたあとに、ほっとする味の食事で締めくくる、そんな過ごし方もおすすめです。
3.輪島 やぶかぶれ(輪島市)
輪島にある、洗練された和の設えに心が癒される、居心地の良い蕎麦処。
能登デスク・中山さんのおすすめは、「ミニ上シロ丼せいろそばセット」。ホルモン丼というだけでも珍しいのに、とろりとした卵と絡めてかき込むホルモンと白ご飯は、まさに至福の逸品です。
実はホルモンが大好物という中山さんの“イチオシメニュー”でもあります。もちろん、蕎麦も自家製粉・自家製麺にこだわった本格派。さらに、蕎麦の太さを選べるというのも嬉しいポイントです。
観光地らしさから少し距離を置いた、落ち着いた輪島で味わう一杯。能登の“こなれ旅”グルメとして、記憶に残るひとときになるかもしれません。
(4)知る人ぞ知る!穴場スポット
1.七尾城跡(七尾市)
日本五大山城のひとつともいわれる、七尾城。山の地形を巧みに活かした立地で、標高約300mから望む眺望は、まさに訪れる価値のある絶景です。
よく紹介されるのは本丸跡からの眺めですが、中山さんならではのおすすめポイントがあります。
それは、本丸へ向かう途中の駐車場から見える景色。七尾市街を見渡せるだけでなく、その先にはオーシャンブルーに輝く海が広がり、思わず息をのむ美しさです。
城址内では、4段に重なる重厚な石垣を眺めながら、緑のなかをハイキング気分でのんびり散策できます。
歴史のロマンを感じつつ、今なお残る城の跡に、少しだけアドベンチャー気分で想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
3.宝達山(宝達志水町)
古くから地元の人々に親しまれ、ファンクラブもあるという標高637メートルの能登半島最高峰「宝達山(ほうだつさん)」。
海を渡る蝶「アサギマダラ」の飛来地としても知られており、毎年9月頃には美しい姿を見ることができます。山頂付近までは車でアクセス可能で、山頂広場の駐車場には「山の竜宮城」というユニークな建物が建っています。
入口に掲げられているのは、なんと総金箔の看板!金箔メーカー「箔座」とのコラボレーションによるもので、「山頂なのに竜宮城?」「自然豊かな里山に金箔?」と思わずツッコミたくなる、不思議な魅力を放つスポットです。
実はこの地にかつて金鉱があったという歴史が背景にあり、館内にはその歴史を伝える資料も展示されています。ちょっと足を止めて、ゆっくりと読んでみるのも楽しみのひとつ。
そして何よりの魅力は、その眺望。山頂からは、眼下に広がる田園風景から日本海までを一望できる、まさに“穴場の絶景スポット”です。
青い空、白い雲、緑の棚田、そしてその先に見えるオーシャンブルー。飾らず、素朴で、どこか懐かしい。「これぞ能登の里山」と呼びたくなる、心に残る風景がここにあります。
※山道は一部狭い箇所があります。通行の際は対向車に十分ご注意ください。
季節で選ぶ!能登の楽しみ方|能登デスクおすすめの春夏秋冬とは?
能登は、春・夏・秋・冬――いつ訪れても極上の楽しみ方ができるのも、大きな魅力のひとつ。でも、せっかくならもっとディープに楽しみたい。そんな方は、四季それぞれの魅力を知っておくのがおすすめです。
今回は、中山さんに季節ごとの楽しみ方についても伺いました!
<春> のと鉄道と桜(穴水町)
春といえば、桜でピンクに染まる能登。
その風景を象徴するのが、“さくら駅”の愛称で親しまれる「能登鹿島駅」です。能登鹿島駅は、桜の季節になると多くの人が訪れる人気スポットですが、おすすめは「のと鉄道」をまるごと楽しむこと。
沿線に咲き誇る桜のピンク、足元を彩る菜の花の黄色、そして車窓から見えるのどかな里山の風景と青い海。そのすべてが、春だけの特別な景色をつくり出しています。
のと鉄道に乗ることそのものを目的に訪れる人も多いのだとか。春風に包まれながら、のんびりと楽しむ電車旅は、心もやさしくほどけるようなひとときです。
<夏> 星空
「夏はやっぱり海!」と思いきや、中山さんの口から出たのは、意外にも「星空」という言葉でした。
「能登だからこそ見られる星空があるんです」とのこと。実際、スマートフォンでも普通に星が撮れるほど、その数と輝きの美しさは格別。
中山さんが写真を撮影した場所は、能登町にある真脇遺跡。古代遺跡と満天の星が重なる光景は、幻想的でどこかノスタルジックな気持ちにさせてくれます。
もちろん、夏の能登といえば海の美しさも魅力のひとつ。昼間はオーシャンブルーとスカイブルーが溶け合う空と海を満喫し、夕暮れにはマジックアワーをロマンチックに過ごす。
そして夜は、温泉で癒されたあとに、星と遺跡の“競演”を眺めるひととき・そんな、夏の能登でしか味わえない特別な一日が待っています。
ぜひ、宿を予約して、忘れられない最高の思い出を作ってみてください。
<秋> 永光寺(ようこうじ)(羽咋市)
能登で紅葉といえば?実は、代表的な紅葉スポットはあまり多くありません。それでも、穴場としてぜひ訪れてほしいのが「永光寺(ようこうじ)」の紅葉です。
秋の冷ややかな空気の中で見る、お寺の山紅葉。自然体で、飾らない――まさに能登らしい風景がそこに広がります。
700年の歴史を持つこの禅寺では、「座禅体験」も可能。ちょっと個性強め(?)の住職さんが、歯に衣着せぬトークで場を和ませてくれるのも魅力のひとつです。
里山の紅葉に包まれ、凛とした空気を感じながら、心の洗濯ができる紅葉狩り。喧騒から離れ、深まる秋の静けさと向き合う時間は、まさに“自分を取り戻す旅”になるかもしれません。
※座禅体験は事前予約が必要です。
<冬> 冬の味覚・能登かき
「能登の冬は、とにかくおいしい!」
そう語る中山さんが激推しするのが、冬ならではの“海の幸”です。なかでも能登の冬は、海鮮の豊富さが格別。
冬牡蠣・寒ブリ・鮟鱇(あんこう)など、冬の味覚がそろうなかで、中山さんのイチオシは「能登かき」。「能登は広い分、エリアやお店によってまったく味が違うんです」とのこと。
自然の荒々しさを感じる“えぐみ”が残る牡蠣、海そのものを凝縮したような濃厚な牡蠣、さっぱりとしたキレのある牡蠣、クリーミーでミルキーな牡蠣。これだけ多くの味わい方を聞いたのは初めて、と思うほど個性が豊かです。
さらに、サイズ感や調理法(蒸し牡蠣、焼き牡蠣、牡蠣フライなど)との組み合わせによって、そのおいしさは無限大のバリエーションに。能登を訪れたら、ぜひいろんなお店をハシゴして、あなた好みの“マイ能登かき”を見つけてみてください。
今回ご紹介したスポットの地図情報はこちら
- 白米千枚田
- 見附島 / 軍艦島
- 巌門
- 能登島ガラス工房
- 不動滝
- ひょっこり温泉島の湯 ※令和6年(2024年)能登半島地震の影響により当面の間変則営業 公式サイトの情報をご確認ください
- 輪島 やぶれかぶれ
- 七尾城跡 ※一部閉鎖中
- 宝達山
- 能登さくら駅
- 真脇遺跡
- 永光寺(県指定史跡)
Google Mapの読み込みが1日の上限回数を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください
「能登デスク」とは?案内人・中山智恵子さんの意外すぎる正体とは?
今回お話を伺ったのは、能登半島広域観光協会の広報担当・中山智恵子さん。能登の観光案内所「能登デスク」の運営にも携わる、まさに“能登観光の顔”ともいえる存在です。
能登との出会いは約8年前。実はご出身は九州で、ガイドの仕事をきっかけに能登を訪れたのがはじまりでした。そこから能登の魅力にどんどん引き込まれ、今では「訪れるたびに新しい発見があり、また次も行きたくなる」そんな決して飽きることのない能登の魅力に夢中になったと語ります。
その想いは、インタビュー中のあふれる言葉やキラキラとした表情からも強く伝わってきました。案内所での活動にとどまらず、SNSを通じた発信でも多くのファンを持つ中山さん。その情報発信力は北陸を超えて全国に広がっており、フォロワーからは信頼と共感を集めています。
震災当時には、あまりに大きな被害に胸を痛めながらも、「#私の愛してやまない能登」のハッシュタグをつけた投稿を積極的に行い、その輪が全国へと広がりました。各地のテレビやメディアにも取り上げられ、大きな称賛と共感の声が寄せられました。
その活動は今も続き、震災以降は全国での講演会やメディア出演など、さらに幅広く展開中。能登の「人」と「魅力」をつなぐキーパーソンとして、多方面から注目を集めています。
能登のあちこちに「仲間」がいるという中山さんは、地図を見るだけでその人々の顔が思い浮かぶのだとか。情報を尋ねるだけでなく、会話をするだけでも元気をもらえる――そんな温かい存在です。
ぜひ金沢駅の「能登デスク」に立ち寄って、中山さんとの会話を楽しんでみてください。そこから、あなたの“次の能登旅”がきっと始まります。
インタビュー|能登を案内すること、震災後の想い
震災を経てなお、能登の魅力を伝え続ける「能登デスク」の中山さん。案内人として日々人々と向き合いながら、どんな想いで活動を続けているのか。能登を愛し、発信し続ける中山さんに、活動の今とこれからを伺いました。
今、能登の人たちの気持ちは?
観光が復興に貢献できること
- ほっと石川旅ねっと地元ライター
- 観光が復興に貢献できることには、どんな意味があると思いますか?

- 中山さん
- 私たちの役割は、能登の情報を発信し続けることに尽きます。情報を常にアップデートし、正しく伝えることが「能登デスク」の一番大事な使命だと考えています。

- ほっと石川旅ねっと地元ライター
- 長年、能登の人たちとのつながりを持たれてきたと伺いました。

- 中山さん
- はい。どこを訪れても知り合いがいるくらいで、このネットワークこそが私の宝物です。ありがたいことに発信の場も広がってきましたので、これからも地道に能登の魅力を伝えていきます。観光を通じて能登を訪れた方々が笑顔で過ごしてくれること、それが復興につながると信じています。

「行って応援」の本当の意味とは?
- ほっと石川旅ねっと地元ライター
- 「行って応援」という言葉もよく聞きますが、本当の意味はどう捉えていますか?

- 中山さん
- 被災地に来て「何か力にならなくては」と思っていただけるのはありがたいですが、無理に意識する必要はありません。能登を心から楽しみ、満足してもらえること、それが一番の応援なんです。

- ほっと石川旅ねっと地元ライター
- 楽しむこと自体が応援につながるんですね。

- 中山さん
- はい。そして、旅の思い出を家族や友人に話したり、SNSでシェアしたりしていただけると、私たちだけでは届けられない多くの人に能登の「今」を知ってもらえます。その一つひとつの行動が、能登の復興と継続的な支援につながるんです。私たちは、皆さんが来てくださるのを心から待っています。どうぞ能登に遊びに来てください。

地元目線で見る能登観光の魅力とは
今回、中山さんには、能登を知り尽くしているからこその、ディープなお話を伺うことができました。
この記事を書いている私も、地震当時、リアルタイムにさまざまな発信活動を見ていたひとり。中山さんの行動力と発信力に尊敬以上の想いもあり、力強く能登の魅力を語る姿に触れる貴重な機会となりました。
「能登のすべてが愛おしい」と、大切な家族を想うように語る中山さん。今回のおすすめ10選は、無限にある魅力のほんの一部です。
景色が変わったことで、より変化に富み、荒々しくエネルギッシュな風景を楽しむことができる場所もあり、自然のダイナミックさという新たな魅力も加わった能登。「今行ける能登」は、今しか行けない能登でもあります。能登の人と、ぜひ笑顔と言葉を交わしに来てほしいと、私も願います。きっと「来てよかった」そして「また来たい」と思う旅になるはずです。
また、「今行ける能登」という特設ページでは、能登地域で現在訪問可能な施設やイベント情報を随時更新中です。
皆様に能登の観光地にお越しいただくことが、被災地の早期復興につながります。ぜひチェックしてみてください。
「大変でしたね」と声をかけていただけるのは本当にありがたいのですが、同じくらい「ここは何がおいしいの?」「景色がきれいなところはどこ?」といった日常の会話をしてもらえることが嬉しいんです。