石川県では、クラブツーリズム、Gakkenと連携して、首都圏の子どもたちが能登を巡りながら被災地の現状や復興の過程を学ぶ夏休み親子向け「震災を学ぶ旅」を実施しました。

このツアーの募集は終了しましたが、このツアーの体験記を学校や子ども団体の旅行で能登に来る時の参考にしてください。

【出発日】令和7年7/21(月・祝)、7/23(水)、7/27(日)、8/6(水)

【日数】1泊2日

【人数】４回計80名

【主催】クラブツーリズム株式会社

【1泊2日で能登を巡り学べる大ボリュームツアー！】

以下の青字箇所で、実際に見る・聞くことを通じ、学研キッズネットと県職員が取材して作成したプログラムで震災について学べます。加えて、能登ならではの特別な夏のお楽しみ体験もたくさん盛り込まれております。くわしくは学研キッズネットHPの記事をご覧ください。

◆のと里山空港（学びスポット①復興拠点としての役割を見る・聞く）

◆黒島漁港（学びスポット②隆起した海岸を見学）

◆能登金剛遊覧船（学びスポット③津波の被害を学ぶ）

◆休暇村　能登千里浜（天体観測）

◆宇宙科学博物館 コスモアイル羽昨（NASA宇宙船見学）

◆能登島（のとじま水族館見学、学びスポット④普段の備え、地域の助け合いについて話を聞く）

朝１０時　羽田空港からのと里山空港に到着。みんな夏休みの旅行でテンションが上がっています。

まずはのと里山空港の会議室に移動し、県職員から地震当時の話を聞いて学習しました。

子どもたちはみんな積極的に講義に参加してくれて、ワークシートにメモを取っていました。

のと里山空港は復興拠点として大きな役割を果たしました。普段は企業・商工会の視察や大学のゼミ旅行などで大人向けに話しており、その様子はこちらからご覧いただけます。今回は子ども向けに内容をアレンジしています。

お話を聞いた後は、施設内の被災した所や防災備蓄倉庫を見学しました。防災倉庫は地震でくちゃくちゃになり、当時ものを取り出すのに苦労しました。現在はその教訓を生かして、棚が倒れないような並べ方になっています。子どもたちには防災倉庫にある期限の短いアルファ米や乾パンを持って帰ってもらい、避難生活の食事を体験してもらいました。

能登半島地震はとても大きなエネルギーで様々な変化をもたらし、中でも特徴的なものとして海岸が垂直方向に最大約４メートル隆起したと言われています。地震のエネルギーを目で見てよくわかる場所として黒島の漁港を訪れました。壁が白くなっているのは元々海の中だった部分です。子どもたちはとても驚いた様子で、写真やスケッチで記録していました。

ここは元々漁港でしたが、今ではすっかり砂浜になっています。子どもたちは貝殻を拾って遊び始めました。そこで見つけた貝に自然に空いていた穴にひもを通して、オリジナルネックレスを作っていました。子どもの発想力で楽しみ方を教えてもらって、こちらが勉強になりました。

当日はとても天気が良く、海の日ということもあり船が行き交っていました。この遊覧船クルーズでは「能登金剛」と呼ばれる石川県を代表する景勝地を巡りました。今回の地震の爪痕ではありませんが、何千年前の隆起や浸食など自然の力が作る地形の迫力を子どもたちは十分に感じていました。ほかの遊覧船に乗ったことがある子や、初めてで船酔いしてしまった子など様々ですが、透き通ったきれいな海にみんな大興奮していました。

クルーズの後は事業主からお話を聞きました。この遊覧船も、震災による津波の被害を受け、2隻が破損しました。能登金剛遊覧船を運航する木谷さんは当初、廃業することも考えましたが、全国からの応援の声に応えて継続を決断。その後、クラウドファンディングなどの支援により船の修繕が完了し、2024年7月からは通常運航を開始しています。

暑い中で子どもたちの体力も考慮して、ツアーでは早めに４時前にホテルに入りました。ホテル「休暇村　能登千里浜」では、温泉でゆっくり休むだけでなく、お楽しみがいっぱい！

千里浜海岸まで徒歩で行けるので、貝殻拾いなど再び海で遊ぶ家族もいらっしゃいました。

豊富な湯量としっとりやわらかな泉質が自慢の温泉【なみなみの湯】

季節のお刺身や、能登の旬の食材を使った料理長自慢の会席料理の夕食

和会席の夕食（イメージ）※画像は大人用メニューとなります

夜はホテルスタッフによる説明と天文台にて屈折望遠鏡を使用した星空観測会を実施！

宿泊施設には、天文台「シリウス」が併設されており、夜には星空観測会が実施されます。能登ならではの満点の星空の下、大口径の屈折望遠鏡を使用して、星々を観測することができます。当日ホテルでは天文台に行列ができていました。

子どもたちは２日目も朝から元気いっぱいです。

このツアーではガイドさんが子ども向けにわかりやすい説明をしてくれました。子どもたちは説明を聞きながら、宇宙人ステッカーがもらえるクイズラリーに真剣に取り組みました。

能登島の民宿におじゃまして震災後の話を聞きました。能登島でも地域によって被害に差があり、地下水が使えた地区と３か月断水した地区がありました。地下水が使えた地区は洗濯などでみんなで水を使ってもらえる場所を用意したそうです。子どもたちも配給のお手伝いなどで活躍していたと聞き、自分もがんばろうと刺激されていました。

のとじま水族館も、震災により大きな被害を受けました。館内の魚や動物たちは一時的に全国の水族館に避難することになりましたが、現在では、すべての動物たちが帰ってきて、その元気な様子を見ることができます。圧巻は国内では4カ所の水族館でしか見ることができない巨大なジンベイザメの優雅に泳ぐ貴重な姿を間近で見ることができます。

イルカたちが元気に泳ぐショーはジャンプや芸が盛りだくさんで、子どもから大人まで楽しんでいました。

ここが旅の最後になります。

【１日目】

羽田空港(8:30～9:30発)＝能登空港＝

能登空港(【学習プログラム】能登半島地震における能登空港での震災対応について)【約60分】＝【移動:約45分】＝輪島市黒島地区(北前船で栄えた天領の集落／能登半島地震の影響で約４m隆起した海岸線を見学・写真タイム)【約15分】＝【移動:約30分】＝道の駅とぎ海街道(全長460.9メートルの世界一長いベンチで有名な道の駅／自由昼食)【約50分】＝【移動:約20分】＝福浦港＝能登金剛遊覧船（ツアー貸し切りで特別航路乗船／乗船約20分）＝巌門(【学習プログラム】現地案内人より被災した遊覧船と運航再開までのお話)【約30分】＝【移動:約40分】＝休暇村能登千里浜(泊)

★夜はホテルスタッフによる説明と天文台にて屈折望遠鏡を使用した星空観測会を実施！(星空観測会は晴天時のみ)

【２日目】

休暇村能登千里浜＝【移動:約10分】＝宇宙科学博物館コスモアイル羽咋(NASA特別協力施設／本物の宇宙船などの展示を案内人同行・クイズラリー形式で見学／宇宙人ステッカー付き）【約50分】＝【移動:約10分】＝能登千里浜レストハウス（10:30頃からの早めの自由昼食・軽食休憩）【約45分】＝【移動:約55分】＝七尾市内(【学習プログラム】震災に伴う能登半島周辺の漁業への影響について)【約40分】＝【移動:約10分】＝のとじま水族館(日本海側で唯一ジンベイザメが見られる水族館／2025年3月22日よりイルカショーも再開！)【約70分】＝【移動:約65分】

＝能登空港＝羽田空港(17:30～19:00着)

※移動時間は、道路事情により前後する場合がございます。また、想定を上回る道路渋滞や観光地の混雑等の影響で、やむを得ず見学箇所の割愛や観光時間の短縮、ならびに宿泊施設到着時間の遅れや出発時間の前倒しが発生する場合がございます。