石川県観光公式サイト

これからご紹介する温泉地の場所を、まずは地図でチェックしてみましょう。

輪島の朝市や伝統工芸・輪島塗で知られる港町にある温泉地。日本海を望む露天風呂も多く、海と一体になるような湯浴みが楽しめます。泉質はナトリウム－塩化物泉で、冷え性や慢性皮膚病に効果が期待されます。観光とあわせて滞在型で楽しめる温泉地です。
※令和６年能登半島地震の影響により、一部の宿泊施設や観光施設では営業を再開していない場合があります。詳しくは下記問合せ先までご連絡ください。

和倉温泉は、大同年間（806～810年）に開湯したと伝わる歴史ある温泉で、約1200年の伝統を誇ります。海に湧き出る珍しい温泉として知られ、源泉は約80度と高温で豊富な湯量が魅力です。泉質はナトリウム・カルシウム－塩化物泉（高張性弱アルカリ性高温泉）で、神経痛や関節痛、冷え性の改善などに効果があるといわれています。かつては傷ついた白鷺が湯で癒したという伝説も残り、“海の温泉”ならではの塩分を含んだ湯は体を芯から温めてくれます。また、薄めて飲用すると胃腸病や貧血に良いとも伝えられています。七尾湾を望む絶景とともに、歴史と自然が息づく名湯を堪能できます。

※令和６年能登半島地震の影響により、一部の宿泊施設や観光施設では営業を再開していない場合があります。詳しくは下記問合せ先までご連絡ください。

開湯は養老年間（718年頃）と伝わり、白鷺が体を癒す姿を農夫が見つけたことに由来する伝説が残る湯涌温泉。白山を開いた泰澄大師が発見したともいわれ、1300年の歴史を誇ります。藩政時代には加賀藩歴代藩主の「湯治湯」として御用達となり、金沢の奥座敷として栄えました。大正時代には画家・竹久夢二が恋人と滞在したことでも知られ、情緒豊かな温泉街は今も「ロマンの湯町」と呼ばれています。泉質はナトリウム－塩化物・硫酸塩泉（弱アルカリ性・低温泉）で、神経痛や腰痛、冷え性、胃腸機能の低下、疲労回復など幅広い効能があります。総湯「白鷺の湯」をはじめ、静かな山あいの宿で心身を癒すことができます。

金沢にほど近い里山に湧く辰口温泉は、養老年間（717～724年）に傷ついた馬が脚を癒したと伝えられる古湯です。手取川の氾濫で源泉が埋没したものの、1836（天保7）年に農民が薬師如来のお告げを受けて再び掘り当て、現在の温泉が復活しました。泉質はナトリウム泉で、疲労回復や冷え性に効果があり、肌にやさしいことから「美人の湯」として親しまれています。総湯や足湯のほか、老舗旅館では田園風景を望む露天風呂や文豪・泉鏡花ゆかりの宿など、文化と自然が調和した湯浴みが楽しめます。

霊峰白山のふもと、白山市全域に点在する14の温泉地の総称が白山温泉郷です。泉質が異なる多種多様な温泉が市内のあちこちに湧き出しています。

山あいに佇む秘湯の一軒宿や、手取峡谷沿いの温泉、さらには日本海に面した日帰り温泉まで、自然環境とともに多彩な湯浴みが楽しめます。

白山市は全域が、白山手取川ユネスコ世界ジオパークに認定されており、山・川・海とエリアごとにさまざまな自然を体感できる温泉郷です。

薬師山のふもとに湧く山代温泉は、奈良時代に高僧・行基が発見したと伝わる古湯です。江戸時代には共同浴場「総湯」を中心に宿や寺社が立ち並び、「湯の曲輪（ゆのがわ）」と呼ばれる街並みが形成されました。今もその情緒ある景観が残り、そぞろ歩きが楽しい温泉地です。陶芸の拠点としても知られ、再興九谷の地で北大路魯山人が修行した足跡も残ります。泉質は3種類あり、飲泉できる源泉は「長寿の湯」と呼ばれ、入浴でも飲用でも健康に良いとされます。保温効果が高く湯冷めしにくいため冷え性に効果的で、関節痛や神経痛、腰痛、慢性皮膚病、疲労回復など幅広い効能があります。

大聖寺川沿いの鶴仙渓に広がる山中温泉は、奈良時代に高僧・行基が発見したと伝わり、鎌倉時代に能登の地頭・長谷部信連が再興しました。江戸時代には松尾芭蕉が「奥の細道」で訪れ、有馬・草津と並ぶ「扶桑の三名湯」と讃えています。温泉街には、芭蕉が詠んだ句碑や、湯治客に育まれた伝統工芸「山中漆器」、民謡「山中節」など、温泉とともに歩んできた文化が今も息づきます。泉質は単純温泉（低張性・弱アルカリ性・高温泉）で、神経痛や関節痛、疲労回復など幅広い効能を持ちます。飲泉も可能で、胆石や慢性便秘、糖尿病、痛風などに良いとされ、自然美と文化の両面から癒しを感じられる温泉地です。

片山津温泉は、「七色に変化する」といわれる柴山潟の湖畔に広がり、潟越しに白山を望む絶景の温泉地です。1653年（承応2年）、大聖寺藩主・前田利明が水鳥の群れから湖底の温泉を発見したと伝わります。泉質は無色透明のナトリウム・カルシウム－塩化物泉で、しっとりとした湯ざわりが特徴。保温効果が高く湯冷めしにくいため、冷え性や疲労回復に効果があるといわれています。湖畔には浮御堂や遊歩道があり、日中は開放的な景観、夜はライトアップで幻想的な雰囲気に。春から秋はカヤックやサップ体験、湖上花火、サイクリングなどアクティビティも充実しており、温泉とともに四季折々の風景を楽しめます。

養老2年（718年）、白山開山の祖・泰澄大師が夢のお告げに従い掘り当てたと伝わる粟津温泉は、北陸で最も古い歴史を持つ温泉です。開湯時に湯守を任された湯治宿は、今も46代にわたり受け継がれています。江戸時代には北前船交易で全国から湯治客が訪れ、加賀藩主・前田利常も立ち寄ったと伝わり、お手植えの「黄門杉」が今も温泉街に残ります。泉質は無色透明・純度100％の芒硝泉（硫酸塩泉）で、きめ細やかな肌ざわりと塩味を含む独特の湯ざわりが特徴。効能豊かな湯は入浴だけでなく飲泉にも適しており、体の内側からも癒してくれる“霊験の湯”として親しまれています。

日本各地で古くから育まれてきた「温泉文化」を、未来へ受け継ぎ世界へ発信するための活動が進められています。温泉は石川県にとっても重要な観光資源であり、文化的財産でもある「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産として世界に発信することができれば、温泉地の活性化にもつながるものと考えており、こうした独自の文化をユネスコ無形文化遺産に登録することは大きな意義があります。現在は全国的な連携のもと47都道府県が参画する『「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会』をはじめ、国会議員の「議員連盟」や温泉文化の関係団体による取り組みが行われており、署名活動を通じて多くの賛同を集めています。石川県の温泉地もその一翼を担い、地域の魅力とともに「温泉文化」の価値を国内外へ伝えています。

現在、「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産の登録を後押しする署名活動が全国で展開されています。署名は誰でも参加可能で、多くの人々の賛同が登録実現への力となります。ぜひ旅行者の皆さんも、この活動にご協力ください。