金沢~能登半島をめぐり禅の歴史を紐解く
能登半島は禅の聖地の名こそ相応しい。それは道元禅師の法孫にあたる瑩山禅師(1268-1325)の足跡を辿る旅でもある。
豊財院は、その慎ましやかな佇まいにもかかわらず、3体もの国の重要文化財に指定された立像が並ぶ。
永光寺はまさに文化財の宝庫。重要文化財に指定されるものは20点を遥かに超える。
そして大本山總持寺祖院。
一時は、全国に末寺1,6000余りを数えたこの寺には各地から修行僧が集まり、禅の教えと共に、輪島塗という伝統文化も、広く日本に伝えていった。
- 所要時間
- 1日コース
- 主な交通手段
- 車
このコースでめぐるエリア
車(約20分、約4.5km)
鈴木大拙館
禅を世界に広めた鈴木大拙、その思想に触れる場所
金沢が生んだ世界的な仏教哲学者、鈴木大拙の世界観に触れられる施設です。その書や写真、著作を通し、大拙の思想や足跡を学び思索できます。
国際的な建築家、谷口吉生氏による設計で「玄関棟」「展示棟」「思索空間棟」の3つの棟と「玄関の庭」「露地の庭」「水鏡の庭」の3つの庭によって構成されています。その独特な空間は、中を回遊することで、大拙について学び、考えるよう意図し、デザインされたものです。
住宅街の中に静かに佇む施設なので、喧噪を忘れてゆっくりと物思いにふけることができます。
何も考えず、静寂に包まれ、庭を眺め…ただ時間を過ごすだけで心の落ち着きを取り戻せる場所。日々蓄積した、悩みや思いを解放しに訪れてみてはいかがでしょうか。
「兼六園」や「金沢21世紀美術館」にも近く、緑に囲まれた心地よい散策道を歩いて行けば穏やかな気分に。
下宿先としていた徳証寺(白山市)には記念として立てられた「鈴木大拙石碑」があり、梵鐘には鈴木大拙によって入れられた「TheBellOfPeace&Liberty.」という銘文が刻まれています。
- 住所
- 金沢市本多町3丁目4番20号
- 電話番号
- 076-221-8011
- 営業時間
- 9時30分~17時00分(入館受付は16時30分まで)
- 休業日
- 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)、展示替期間
※2023年11月27日(月)~2024年3月中旬まで、修繕工事のため長期休館いたします。
期間中は、敷地内立入の他、散策路の通抜「水鏡の庭」観覧もできません。
あらかじめ、ご了承ください。
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。
大乗寺
野田山に続く大乗寺山の山すそにあります。1261(弘長元)年に永平寺の3代目祖師・徹通義介禅師が開いた曹洞宗の寺です。永平寺と總持寺を本山とし、約700年もの間、守護・富樫氏や加賀藩筆頭家老本多家の帰依を受け繁栄しました。境内には仏殿、禅堂などの伽藍が回廊式に建ち、禅の道場らしい清浄閑寂な空気が漂います。
- 住所
- 金沢市長坂町ル10
- 電話番号
- 076-241-2680
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。
石川県西田幾多郎記念哲学館
世界的哲学者と建築家の融合。考えることを楽しむ空間
石川県西田幾多郎記念哲学館は日本を代表する哲学者・西田幾多郎の思想や人生にふれられる哲学の博物館です。西田博士の業績やゆかりの品を紹介しながら、哲学を身近にわかりやすく解説しています。
館内には西田幾多郎をはじめ思想家たちの言葉が随所にちりばめられ、タブレットを使い、哲学者たちとの対談ゲームを遊ぶこともできます。ほかにも博士の遺品、原稿、書簡などを通じて、人となりを紹介しています。
>>【体験記事】西田幾多郎って何をした人?記念館で名言なども調査してみた
設計は世界的にも有名な安藤忠雄氏によるもの。「考えること」をテーマに作られた建物は迷路のように複雑で、瞑想の空間「ホワイエ」をはじめ、考えるためのスペースが随所にあります。打ちっ放しコンクリートにガラス張りの建物、丘陵地を利用した大きな階段庭園などは、思索体験の場にふさわしい雰囲気を醸し出しています。
難しい哲学に興味を持たせる工夫と安藤氏の設計が評価され第9回いしかわ景観大賞を受賞しました。
哲学と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、美しい建物見て、ぼんやりと時間を過ごしながら自分と向き合うという気軽な気持ちで訪れてみてはいかがですか。西田哲学と安藤建築の心をぜひ体感してください。
- 住所
- かほく市内日角井1
- 電話番号
- 076-283-6600
- 営業時間
- 9時00分~17時00分(入館は16時30分まで)
哲学の杜ライトアップ【点灯時間】:日没ー21時30分
*哲学館休館日・メンテナンス・気象状況等により消灯とする場合があります。 - 休業日
- 毎週月曜日(祝祭日の場合は、その翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)、展示品の入替えまたは、メンテナンス期間
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。
豊財院
全600巻に及ぶ「血書大般若経」は圧巻。
山腹にあるため、ここからは羽咋市の街並みを一望できます。
自らの手指を刺し、その血をもって「血書大般若経」を書写した月澗和尚(げっかんおしょう)は中興の祖とされています。
「血書大般若経」はその後、弟子たち7人に引き継がれ、その数は全600巻にも及びます。
- 住所
- 羽咋市白瀬町ル8
- 電話番号
- 0767-26-1065
- 営業時間
- 9時00分~17時00分(要予約)
- 休業日
- 不定休
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。
永光寺(県指定史跡)
曹洞宗の太祖、瑩山紹瑾により創建。座禅体験で心身ともにリフレッシュ。
※座禅体験は要予約になります。
鎌倉時代の末、1312(正和元)年、瑩山紹瑾禅師によって開かれた曹洞宗の寺院です。室町時代、戦国時代の二度の災禍に遭いながらも多数の文化財を守り、中でも、本尊の釈迦三尊像は鎌倉時代末の院派の仏師の作品として有名。幕末三舟の一人である山岡鉄舟の大襖書8枚も知られています。
とても空気が澄んでいて川のせせらぎや鳥の鳴き声などもきこえ、近くでウォーキングを楽しむ方もいらっしゃいます。夏には新緑がさわやかに色づき、秋雨が降る中での紅葉狩りなどもおつです。四季折々の景色を楽しみましょう。
座禅体験もでき、心の落ち着きや集中力を鍛えることができます。心の疲れや、日々の生活で集中力が低下してきている方などぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
- 住所
- 羽咋市酒井町イ-11
- 電話番号
- 0767-26-0156
- 営業時間
- 8時30分~17時00分
- 休業日
- 年中無休
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。
大本山總持寺祖院
禅の教えを今に伝える曹洞宗の古刹
曹洞宗の大本山として瑩山紹瑾禅師により、1321(元亨元)年に創建されました。1898(明治31)年の大火で境内は焼失し、本山は1910(明治43)年、神奈川県横浜市鶴見に移り祖院となりました。その後の再建で山門、仏殿などがよみがえり、消失を免れた建物とともに、根本道場の威厳を伝え、今も総ケヤキ造りの風格ある山門や仏殿、法堂などが残っています。2021年開創700年を迎え、2022年も引き続き「延年の章」として各イベントを開催予定です。
- 住所
- 輪島市門前町門前1-18甲
- 電話番号
- 0768-42-0005
- 営業時間
- 8:00~17:00
- 休業日
- 年中無休
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。