ぜんぶ歩いて回れる!輪島の街中で気ままな旅


3375ビュー 2022.07.15投稿

食あり、名湯あり、風情あり。奥能登の玄関口・輪島へ

※このブログは2022年3月時点の情報です。

輪島市は奥能登の中核をなす街。
 
「奥能登」と聞くとはるか遠いイメージもあるかもしれません。でも、能登半島のちょうど真ん中に位置する「のと里山空港」から「道の駅輪島(愛称:ふらっと訪夢)」まで、バスで20分強。飛行機を利用した首都圏からのアクセスも良い輪島市は、「時間があまりないけど、能登を旅したい」という人にもおすすめです。
郊外に足を延ばせば「白米千枚田」など有名な観光スポットもありますが、市街地にも見どころがたくさん。趣ある木造建築が並ぶ通りをぶらりと散策するだけでも、旅情がかきたてられます。
もちろん、飲食店も多いので、グルメにもことかきません。さらに、弱アルカリ性塩化物泉が湧く輪島温泉郷は、美肌の湯として、昔から多くの人に愛されています。
 
食あり、名湯あり、風情あり。「たまにはのんびり、運転しないで旅をしたいな~」「お酒も楽しみながら気ままに旅したいな~」という人にとって、輪島市街地はぴったりの旅先なんです!

こ~てくで~。おばちゃんの元気な掛け声が楽しい朝市へ

輪島と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、朝市。勝浦朝市(千葉県)、宮川朝市(岐阜県)、呼子朝市(佐賀県)と並んで、日本の三大朝市のひとつに数えられています。
通称「朝市通り」と呼ばれる河井町通りにずらりと並ぶのは、約200軒の露店。鮮魚や干物や自家製野菜、漬物、花、伝統工芸品など、あらゆるものが売られています。
輪島朝市が始まったのは、なんと平安時代。神社の祭礼日に人々が生産物を持ち寄って物々交換をしていたのが始まりなのだそう。室町時代には毎月4と9の付く日に市が開催されるようになり、明治時代になって毎日行われるようになりました。
 
以来、長く地元の台所として愛されてきた朝市は、今は人気の観光スポットに。公式ウェブサイトに出店者の情報や開催日も公開されているので、旅程にも入れやすく、旅行者でも安心して買い物ができます。
朝市の主役は、ズバリ、店を構えるおばちゃんたち。 「こーてくで~(買って行って~)」というおばちゃんたちのかけ声は、輪島名物といっても過言ではないでしょう!
 
「どうせ王道の観光地でしょ」と思っている人は、ぜひ一度、市場へ。元気でキュートなおばちゃんたちとの語らいに、気づけば虜になっているはずです。

輪島朝市

住所:石川県輪島市河井町1部115番地(輪島市朝市組合)
電話:0768-22-7653 (午前中のみ)
営業:8:00~12:00
休業日:1月1日~3日、第2・4水曜
駐車場 あり

キリッと辛口。井戸水で仕込んだ男前な地酒

朝市をひとしきり楽しんだ後、風情ある建物に惹かれて立ち寄ったのは、朝市通りに面して建つ「日吉酒造」。大正元年から続く老舗の酒蔵です。
仕込み水は、蔵の地下に滾々と湧く井戸水。100年以上が経っても尽きない井戸水で、連綿とお酒を造り続けています。
代表銘柄は、「金瓢白駒」や「能登の酒」、「ささのつゆ」、「おれの酒」など。スッキリと辛口に仕上げたお酒は、能登の新鮮な魚料理によく合います。
男前なネーミングに思わず惹かれてしまったのは、「おれの酒」。石川県の酒米でつくられた純米酒です。試飲をさせていただくと、無骨な名前に反して口あたりがまろやか。
 
購入したお酒は、そのまま店内で飲むこともできます。「朝市でおつまみを買って、ここで一杯飲んでいく方も多いですよ」と、5代目で蔵元杜氏の日吉智さん。
店内でも、手軽に食べられるプチおつまみを販売しています。銘柄入りのミニトートバックに入ったお酒とおつまみセットは、お酒好きへのお土産に喜ばれそう。
 
お酒が飲めない人は、ぜひ、酒粕で作った甘酒を。朝市を歩き回ってクタクタの体に、やさしい味わいの甘酒がじわ~っと染み渡ります。

日吉酒造

住所:石川県輪島市河井町2部27-1
電話:0768-22-0130
営業:8:00~19:00
休業日:水曜
駐車場 なし

艶があって色鮮やか。美しい「輪島塗」に魅了される

輪島を歩いていて、いたるところで目にするのが、輪島塗の漆器店や工房。海風が吹き抜ける路地の隅々にまで、伝統技術が息づく風土が素敵です。
 
伝統工芸品というと、一人の職人さんがゼロから完成させるイメージがありますが、輪島塗は完全分業制。
 
木地づくり、塗り、研ぎ、沈金(模様を掘って金粉を埋めていく作業)や蒔絵(漆器の上に漆で絵や模様を描き、その上に金粉を乗せていく作業)など、さまざまな職人さんがいて、それぞれに工房を設えています。
輪島塗の魅力は、なんといっても美しい艶。工芸品に詳しくなくても、艶っとした輝きにはウットリしてしまいます。
 
でも、優れているのは見た目だけではありません。軽くて丈夫であることも、輪島塗の特徴なんです。

美しくて丈夫、サスティナブルな輪島塗の秘密

美しくて丈夫。その秘密を一目で知ることができるのが「輪島塗会館」。
 
「輪島塗会館」の1階は62店舗の漆器店から選りすぐった輪島塗アイテムが並ぶショップ、2階は輪島塗資料展示室になっています。
資料展示室で見たのは、まるでアート作品のような工程見本。輪島塗が完成するまでにたどる124もの工程を、お椀を見本にして、ひとつひとつ再現しています。
 
日本漆器の中でも類をみないほどの強さと美しさを備えているのは、仕上げを何度も繰り返しているからこそなんですね。

その手間暇たるや……。完成までに1年を要することがあるというのも頷けます。
素材は天然木や天然漆、そしてハンドメイドで完成する輪島塗。傷ついたり塗りが禿げてしまったりしても修復できるので、一生モノの器とも言えます。こんな昔ながらの工芸品が、サスティナブルな未来を築くのかもしれません。

輪島塗会館

住所:石川県輪島市河井町24-55
電話/0768-22-2155
開館時間:8:30~17:00(資料展示室の入館は16:30まで)
休館日:無休
入館料:2階の展示資料室は300円、1階のショップは無料
駐車場:あり

ファーム・トゥ・テーブルのイタリアンで能登を味わう

能登=和食のイメージもありますが、さまざまなジャンルのシェフが地産地消を実現しています。
 
朝市通りから歩いて5分ほど、重蔵神社のすぐ近くにある「オリゾンテ」は、肩ひじ張らずに楽しめるイタリアン。
ドアを開けると、木のぬくもりを感じる家具と能登の美しい海の写真に、暖かく迎えられます。
 
手書きのメニューには、地元の食材を使った料理がずらり。とれたての地魚や能登牛に能登豚、野菜、果物などなど、能登らしいものばかりで、どれを食べようかと目移りしてしまいます。
迷いに迷ってこの日選んだメニューは、「貝とあん肝のサラダ」、「のと115(原木しいたけ)とトリッパのソテー」、「白子のペペロンチーノ」。
 
和食でおなじみの食材を、イタリアンで食べるのはとても新鮮です。
料理は奇をてらわず、見た目は「あまり手を加えていないのかな?」と思えるほどシンプル。それでいて、シェフの感性もしっかりと感じることができる料理は、お腹も舌も心も満たしてくれます。
フレッシュな食材は、地元の生産者さんから。たとえば、5時間かけてコンフィにした「のと115」は、友人のしいたけ農家さんから届いたものなのだそうです。

「産地からキッチンに届くまでが早いので、新鮮なまま調理できるんです」と、惣領泰久シェフ。まさに、ファーム・トゥ・テーブル!
惣領泰久シェフは、鎌倉や東京のイタリアンで腕を磨いた後、地元の輪島に戻り、このお店をオープンしました。そして、今では地元で愛される存在に。漁師さんや農家さんも、常連さんなのだそうです。
店名は、「水平線」という意味。海好きのシェフが切り盛りする小さなイタリアンは、輪島の人が行き交う港のように、温かで居心地のいい空間でした。

オリゾンテ

住所:石川県輪島市河井町4−67
電話/0768-22-1777
営業時間:12:00~14:00(L.O.14:00)、18:00~21:00(L.O.21:00) *水曜はランチのみ
定休日:日曜、第2・4月曜
駐車場:あり