おもてなし取り組み事例

  • レディー・カガの取り組み

    隣り合う温泉地が手を取り合うおもてなしの輪

    動画サイトYouTubeでの配信をきっかけに、大ブレークした「レディー・カガ」。加賀温泉郷の4温泉が集まり、おもてなし向上を目指し、2011年に結成されました。その一員である市川勝美さんに、レディー・カガの撮影秘話やおもてなしについて語っていただきました。
    「お客様をお迎えするシーンを加賀温泉駅のホームで撮影するから、来てね!といきなり声をかけられ、とりあえず駅に行ってみました」旅館・飲食店の女将や従業員、芸妓など50~60人がホームに集まり、お辞儀をしたり、手を振ったりして撮影をしたそうです。「お客様に失礼のないようにと、自慢の着物を着ていったのに、用意された割烹着を付けたら着物が隠れてしまってちょっと残念でした(笑)」

    次代を担う子どもたちとともに

    レディー・カガの会員数はおよそ100名。さまざまな分野で活躍する会員一人ひとりが、独自のスタイルでおもてなしをしています。「全員で行うことは加賀温泉駅でのお客様のお出迎えとお見送りです。この地に降り立ったお客様に、最初にいらっしゃいませ、と声をかけるわけですから、ようこそ、という気持ちを全身に込めてごあいさつしています」。市川さんは観光客に会ったら気軽に声をかけるおもてなしをされているそうです。
    「先日はレディー・カガの活動を知ってもらうために、地元の小学校で公開授業をしました。子どもたちにも、おもてなしの心が少しでも伝わればうれしいですね。レディー・カガの名に恥じないよう、これまで以上に気を配り、おもてなしを大切にしていきます」と、力強く結んでくれました。

  • 金沢もてなし隊の取り組み

    旅人の疲れをいやす、お茶のおもてなし

    金沢ボランティア大学校の同期生が集まって2005年に設立した「金沢もてなし隊」。現在60~70歳代を中心に34名が活動しています。副リーダーを務める西澤さんにお話を伺いました。
    「私たちが卒業するころにちょうど、金沢駅にイベント広場の地下ドームができました。そこで何かできないかと考えた結果、観光客にお茶のふるまいをしようということになったのです。ボランティアということでスペースは無料で確保することができました。また、賛同していただいた企業からお茶と金箔をいただき、なんと金箔入り棒茶を出しているんですよ。豪華でしょ(笑)」。毎週土曜の10時からお茶がなくなるまで提供。「おいしいお茶をありがとう!って感謝の声を聞くと、やはりやってよかったなと笑顔がこぼれますね」。このほかに折り紙なども披露し、観光客といっしょに折ることもあるそうです。

    ボランティアの輪が広がるように

    金沢もてなし隊の活動には、金沢駅もてなしドームの美化清掃もあります。「紙ゴミやタバコの吸い殻などを拾っています。そのほか、年に一度の七夕飾りもしています。通行人の方に、願いの短冊を書いてもらうので、大人も子どもも楽しそうですよ」。その七夕飾りの下では毎年、オカリナのグループが演奏しています。「演奏させてくださいって、毎年来られているのです」。少しずつですが、ボランティアの輪が広がっているようです。
    「〝笑顔で優しく〟のボランティア精神で、楽しく活動を広げていけたらいいなと思います」と、西澤さんの優しい笑顔が印象的でした。

  • 白山市おもてなし推進の会の取り組み

    女性ならではの視点で、地域の魅力づくり

    〝白山市地域・おもてなし推進の会〟は、白山市への観光誘客やまちづくりの推進を目的として、2012年に活動がスタート。会では、女性ならではの視点でおもてなしのありかたを考えています。会長を務める松浦悦子さんにお話をうかがいました。
    「私たちの会は、市内で活動する8つの女性団体で組織されています。北陸新幹線の開業に向けて、白山市を首都圏の観光客にPRしていくことが活動の中心です。そのほかにも食育や農産物のブランド化に向けた連携や、地域全体の魅力向上のための事業なども行いたいと考えています」
    白山市には、豊かな自然や旧松任市や旧鶴来町といった文化あふれる地域があります。こうした白山市の多様な魅力をどのように発信していくかが課題とのこと。
    「白山市には、白山や手取川をはじめとするすばらしい観光資産がありますが、県内の有名観光地に比べると、魅力づくりという面ではまだまだ工夫が必要です。試行錯誤しながらの活動ではありますが、金沢でも加賀でも能登でもない、この地域ならではのおもてなしのかたちを考えていきたいと思っています」

    笑顔と生きた言葉がけが、おもてなしの基本

    現在、会員は40人余り。互いに知恵を出し合いながら、活動しております。接客の際、松浦さんが心がけていることがあるといいます。
    「お客様に対するときには、笑顔と、生きた言葉がけ。これを常に心がけています。ちょっとした言葉使いと表情が、相手を明るい気持ちにします。どこでも共通の、おもてなしの基本だと思います」

  • 七尾一本杉通り商店街の取り組み

    商店街の人々とのふれあいこそが〝おもてなし〟

    七尾市の中心にある一本杉通り商店街では、商店街をあげて観光客をおもてなししています。一本杉通り振興会の副会長を務める関川由美子さんにお話をうかがいました。
    「一本杉通り商店街が力をいれてきたのが、ふれあい観光です。商店街を訪れてくださった皆さんに、商店街の人々とのふれあいによって、まちの魅力、そして能登の魅力を感じていただくことです」
    商店街では、〝語り部処〟がまちのあちこちのお店にあり、ご主人や女将さんがそのお店ならではの話を語ります。
    「一本杉通り商店街では、人と人とのつながりを大切にしてきました。お客様が商品を買い求めてそのまま帰られるのではなく、お客様との会話を大事にすることで、ご縁を深めていきたいと思っています」

    人の魅力が商店街の魅力となって、お客様を呼ぶ

    一本杉通り商店街を有名にした催事が 〝花嫁のれん展〟です。〝花嫁のれん〟は加賀・能登・越中に残る風習で、花嫁が嫁入りの時に持参し、嫁ぎ先の仏間の入口に掛けておくものです。
    「きっかけは、商店街の多くの店が持っている花嫁のれんを活用できないかと思ったことです。婚礼後は見せる機会もなく、タンスに眠っているお宝です。それではもったいないので、郷土のすてきな風習を、訪れたみなさんに見てもらおうと思ったのです」
    関川さんは、一本杉通り商店街の魅力をこう語ります。
    「やっぱり人ですね。お客様は商店街に来るのではなく、商店の人たちに会いに来るのだと思います。〝能登はやさしや土までも〟と言われるように、能登のよさは人のよさ。人の魅力がお客様を呼ぶのだと思います。それが最高のおもてなしなのではないでしょうか」

指宿市観光協会(鹿児島県)の取り組み

〝市民みんなでお出迎え〟

鹿児島県指宿市では、九州新幹線全線開業を機に運行を開始した、鹿児島中央駅と指宿駅を結ぶ観光特急列車「指宿のたまて箱」に地域住民が手を振る活動を行っています。
指宿市観光協会からの呼びかけをきっかけに、3年ほど前に始まったこの活動。一度手を振ると病み付きになるそうで、沿線沿いの保育園・学校の子ども達や地域住民の皆さんは、電車を見かける度に手を振って観光客を歓迎しているとのことです。列車の方でも、手を振っている人に気づくと減速して汽笛を鳴らすなど、乗客と地域住民との手の振り合いを演出しています。指宿市観光協会会長の中村勝信さんにお伺いしたところ、このような観光客と地域住民の間の交流が感動を生み、お互いの指宿に対する愛着が増したとのことです。