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私の旅コラム


【著者プロフィル】
元新聞記者。夫と娘の3人家族で、趣味はおいしいものを食べることと、バレエ、それにネイルサロンに通うこと。生まれは石川ではないのですが、よそから来た人の方が興味津々ってことありますよね。そんな私がイチオシする石川の情報をどうぞお楽しみに。

夏のコラムは全7回。今回は、第7回「血が騒ぐキリコ祭り」です。

夏のコラム 第7回「血が騒ぐキリコ祭り」


飯田燈籠山祭り




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夏の夜に能登人のパワー炸裂


 能登は祭りの宝庫といわれています。能登一円で行われる祭りの多くは、男衆が「キリコ」と呼ばれる能登にしか見られない巨大な御神燈を担ぎ、町を練り歩くのが特徴です。

 その中でも最も荒々しい祭りといえば、7月第1金・土曜に能登町宇出津で行われる「あばれ祭り」ではないでしょうか。大小40数基のキリコや神輿が大松明の周囲を乱舞したあと、深夜、なんとその神輿を川や海、火の中に投げ入れ、町はその名の通り大暴れの一夜となるのです。燃えさかる炎、飛び散る水しぶき、そして鐘や太鼓の音が、能登に本格的な夏の訪れを告げる祭りです。

あばれ祭り


 珠洲市飯田町の「飯田燈籠山(とろやま)祭り」は、毎年7月20、21日に行われます。巨大な人形の燈籠を載せた高さ16メートルに及ぶ山車と、金箔・黒漆塗りの8基の山車が、キャーラゲと呼ばれる独特のリズムの木遣り歌に合わせて、町を深夜までひき回される華麗な祭りです。神々に夕涼みにお出ましになるよう願って始まったとされ、別名「お涼み祭り」とも呼ばれるそうです。

 毎年7月の最終土曜日に開催される七尾市能登島町の「向田(こうだ)の火祭り」は、とてもダイナミックです。広場に立てられた高さ30メートルの大松明の周りを、松明を手にした男たちが駆けめぐり、最後はその大松明の倒れた方角で、その年の豊漁・豊作を占います。巨大な火柱が夏の夜空を焦がし、日本三大火祭りにも数えられるというのもうなずけます。

向田の火祭り



石崎奉灯祭り
 「イヤサカサー」のかけ声が勇壮な七尾市石崎町の「石崎奉灯祭り」は、8月の第1金・土曜に行われる迫力満点の祭りです。漁師町の狭い路地を高さ12メートルの6基の大キリコが、家々の軒すれすれに繰り出す様は、担ぎ手のみならず見ている方も思わず力が入ってしまいます。威勢のいいキリコの乱舞に海の男の心意気を感じ、男性だけでなく女性でも、きっと魅了されることでしょう。


 以上、夏のキリコ祭りをいくつか紹介してみましたが、能登で開かれるキリコ祭りは100カ所もあるといわれ、キリコの数も800基に上るとか。また一口にキリコといっても、その大きさや形状、そして祭りの内容も実にさまざまです。輪島市の「キリコ会館」では、笛や太鼓のお囃子が流れる中、大小30基に上るキリコが立ち並び、能登のお祭り気分をいつでも気軽に味わうことができます。また見るだけでなく、キリコの担ぎ体験ができる日もあるので、能登に来たらぜひ立ち寄ってみてください。


キリコ会館


 でもやはり、百聞は一見に如かず。私もこれまでいくつか実際に見物しましたが、血が騒ぐとはこのことでしょうか、短い夏を惜しむがごとく祭りにかける能登の人々の意気込みは、そのままパワーとなって炸裂し、参加する人も見る人もたちまち興奮の渦に巻き込まれていくのがわかります。神仏を崇め、魂を揺さぶるこうした祭りは、豊かな自然に抱かれた能登だからこそ生まれ、育み、今日まで大切に伝えられてきたのでしょうね。


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