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私の旅コラム

【著者プロフィル】
元新聞記者。夫と娘の3人家族で、趣味はおいしいものを食べることと、バレエ、それにネイルサロンに通うこと。生まれは石川ではないのですが、よそから来た人の方が興味津々ってことありますよね。そんな私がイチオシする石川の情報をどうぞお楽しみに。

春のコラムは全7回。今回は、第5回「新緑の神社仏閣を訪ねる」です。

春のコラム 第5回「新緑の神社仏閣を訪ねる」


妙成寺五重塔




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縁結びの神様や大伽藍の曹洞宗寺院


 神社のすがすがしい境内を歩いたり、慈悲深いお顔の仏像に出会ったりするのも旅の楽しみですね。石川にはこの土地の歴史を物語る神社、仏閣が数多いので、さながら歴史散歩をする風情があります。


気多大社


 まず旧能登国、加賀国それぞれの一の宮は、気多大社と白山比咩神社です。羽咋市にある気多大社は大己貴命(おおなむちのみこと)つまり大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀る神社で、古く748年に越中守であった大伴家持が能登を巡った際、最初にここへ参詣したと記録に残っています。日本海に向かってたたずむ社殿のうち神門、拝殿、本殿などは重要文化財です。気になるご霊験はというと、出雲大社と同じ大国主命が祭神ですから「縁結び」ですね。

 一方、加賀一宮は白山市にある白山比咩神社です。霊峰白山をご神体とする神社で白山比咩大神(はくさんひめおおかみ)という女神を祀ります。石川県の手取川、富山県の庄川、福井県の九頭竜川、岐阜県の長良川という4つの大きな川の源流域にある白山の神様は、五穀豊穣のご霊験があるといわれます。また白山は高山植物の花畑が広がる美しい山で、富士山、立山とともに日本三名山に数えられます。温泉が多い手取渓谷や新緑や紅葉がすばらしい白山スーパー林道は自然を満喫したい方にはぜったいのおすすめです。

白山比咩神社


 鎌倉時代の石川では、曹洞宗の古刹が相次いで創建されました。曹洞宗といえば福井県の永平寺を開いた道元が開祖ですが、道元が亡くなった後、永平寺の三世が加賀に開いた大乘寺(だいじょうじ)、その弟子が羽咋市で開いた永光寺(ようこうじ)と輪島市門前に開いた總持寺(そうじじ)は、曹洞宗が全国に広まる発信基地でした。今日、約1万5000カ寺もある曹洞宗教団は石川発だったのです。

多くの人が参禅する大乘寺


 金沢市の野田山にある大乗寺は、修行のためのお寺で凜とした空気が心地よいすばらしい境内です。羽咋市東部の碁石ヶ峰中腹にある永光寺は森の中に重厚な伽藍をみせます。輪島市門前の總持寺は長く永平寺とともに曹洞宗の大本山でしたが明治時代の大火の後、本山は横浜市鶴見区に移りました。それでも、地元では復興に務めて壮麗な伽藍が再建されましたが、2007年の能登半島地震によりほとんどの建物が被害を受け、再び完全復興への努力が行われています。

總持寺山門


 室町、戦国時代の石川を彩るのは「百姓の持ちたる国」を築いた一向一揆でした。本願寺8世の蓮如が北陸で布教に努めたことから、宗勢が一挙に拡大しました。以来、石川は「真宗王国」であり続け、親しみを込めて「蓮如さん」と呼ぶ方も多いのです。金沢市内には東別院、西別院の大きな建物があり、県内には多くの真宗寺院があります。

 江戸時代にできた神社、仏閣は数多いのですが、あえて私のお気に入りを一つ挙げるとすれば、羽咋市にある妙成寺でしょう。海沿いの道路から眺めるとすっくとそびえ立つ五重塔をはじめ重要文化財の建物が10棟もある大伽藍は、加賀藩三代藩主前田利常が巨費を投じて仕上げたもので、母である寿福院の菩提寺とした日蓮宗寺院です。能登の文化の奥深さを示す美しいお寺です。

春のコラム 第6回「陶器、漆器など伝統工芸品の制作体験」へ


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