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私の旅コラム


【著者プロフィル】
元新聞記者。夫と娘の3人家族で、趣味はおいしいものを食べることと、バレエ、それにネイルサロンに通うこと。生まれは石川ではないのですが、よそから来た人の方が興味津々ってことありますよね。そんな私がイチオシする石川の情報をどうぞお楽しみに。

春のコラムは全7回。今回は、第4回「春ならではの味わいに舌鼓」です。

春のコラム 第4回「春ならではの味わいに舌鼓」


能登丼




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いさざの躍り食いにタケノコの刺身


 旅の目的は人さまざま。美しい風景や珍しい生物など期待するものはいろいろありますが、私のように「食」が大きなウエイトを占める人も少なくないのではないでしょうか。少し物足りない旅でも、おいしい物と出合えれば意外にそれで満足できたりしますから。近くの町でも、その土地の店に入って何か口にするだけで、観光客気分になれるのだから不思議です。

 春になり石川もいよいよ本格的な観光シーズンの到来です。金沢市の長町武家屋敷を抜けて、香林坊の裏道あたりの小料理屋をのぞくと、この時期「いさざ」の文字が目に入ります。体長5、6センチの透明の小さな魚で、二杯酢につけて飲み込む「踊り食い」でいただきます。バシャバシャと勢いよくはね回るのをゴクッと。春を知らせる一品として食通をうならせます。

「いさざ」と「さより」


 石川の味覚を求めるのなら、やはり「金沢の台所」近江町市場がお勧めです。新鮮な魚や野菜が所狭しと並び、食物のパワーを感じます。市場近くには持ち込みの食材を調理して食べさせてくれる店もあるのもうれしいですね。

 またちょっと足を伸ばすと、旬の野菜を産地で味わうこともできます。金沢の別所地区は加賀野菜の1つ、別所タケノコの産地として知られています。加賀野菜とは金沢特産の14品目の地場農産物で、この地域では4月中旬頃からわずかひと月足らずの間だけ、自家堀りタケノコの料理店が営業します。料理店といっても民家の座敷などが使われるため、アットホームな雰囲気の中で、おなじみの煮付けやタケノコご飯のほか、地元ならではのタケノコの刺身など素朴な料理をいただけますよ。
青タケノコご飯

青タケノコの刺身


 能登ではやはり海産物を用いた食べ物が豊富です。中でも日本の三大魚醤といわれる「いしる」(いしりともいう)があります。能登の七尾湾に面した内浦地域ではイカのワタ、日本海に面した外浦ではイワシを材料に発酵させて作ります。能登地方ではホタテの貝殻にいしると一緒に季節の野菜や魚介を載せて火にかける「いしるの貝焼き」が名物です。魚?の旨みが凝縮され、海の香りが口いっぱいに広がります。

 能登では、石川出身の料理の鉄人、道場六三郎さんの助言を元に考え出された「能登丼」が新しい能登の味として話題になりました。能登半島地震からの完全復興をめざす奥能登2市2町の旅館や飲食店54店舗で、地元の食材を地場産の食器を用いて提供したのです。

 「あんこうどんぶり」や「寒ぶりネギトロ丼」など多彩なメニューが人気でした。引き続き夏メニューもできる予定。これからどんなオリジナリティーあふれる味が登場するのか、能登自慢の味は今から楽しみです。

能登丼の例


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