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私の旅コラム


【著者プロフィル】
元新聞記者。夫と娘の3人家族で、趣味はおいしいものを食べることと、バレエ、それにネイルサロンに通うこと。生まれは石川ではないのですが、よそから来た人の方が興味津々ってことありますよね。そんな私がイチオシする石川の情報をどうぞお楽しみに。

春のコラムは全7回。今回は、第1回「いろいろ楽しめる石川の花見」です。

春のコラム 第1回「いろいろ楽しめる石川の花見」


満開の兼六園




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能登さくら駅のサクラ

「ライトアップさせた兼六園の夜桜がおすすめ」


 春。北陸の人たちはこの季節をどんなにか待ちわびることでしょう。ひと昔まえに比べると雪こそ少なくなったとはいえ、暗く、どんより曇った空が1日中低くたれこめ、町全体が灰色に深く沈みこんでしまうような長い冬の日々。春の訪れとともに、ようやく太陽が輝きを取り戻し、そして、もう冬は本当に終わったのだよ、と教えてくれるのが、桜の花たちなのです。
犀川桜橋近辺
 そんな遅い春の訪れを告げる桜の名所が、石川県にはたくさんあります。圧巻なのは手取川を見下ろす高台に広がる白山市の樹木公園です。ここには150品種、約1000本の桜の木が植えられたまさに「桜の園」。家族連れでお花見をするには、もってこいの場所といえるでしょう。

 しかし、石川の花見といえば、やはり金沢市の兼六園でしょうか。約20種、420本の桜の中ににはひとつの蕾に340枚もの花びらをつける兼六園キクザクラや、樹齢500年の兼六園旭ザクラ、枝を取り巻きボタンのように咲くことから別名「ボタンザクラ」とも呼ばれる兼六園熊谷ザクラなど珍しい花も多く見られます。満開の時期が近づくとライトアップが始まりますから、夜桜見物にもうってつけですよ。人出が多く茶店もにぎわい、うきうきした雰囲気を味わえます。

金沢城・石川門

兼六園・花見橋の桜



能登鹿島駅
 一方、能登地方では「さくら駅」として知られる能登鹿島駅が有名です。4月中旬を過ぎると、上下線路を挟んで十数本のソメイヨシノが咲き誇り、車窓からの風景はまるで花のトンネルのようです。能登の春を探しに列車の旅というのも楽しいかもしれません。


 前田利家が築いた七尾城の跡 小丸山公園
 (桜とツツジが有名)

 桜の名木もありますよ。金沢市の寺町通りにせり出しようにたたずむのは、1943年に国の天然記念物に指定された「松月寺の大サクラ」です。加賀3代藩主前田利常公から拝領したといわれる樹齢300年の高さ15m、枝張り20mの大木で、花の季節には圧倒的な存在感を放ちます。

松月寺大桜


 私のお気に入りは、この兼六園の脇に緩やかにカーブを描く広坂です。坂の両側から桜の枝が覆い被さるように張りだし、ピンクの花々の隙間から見える青空のコントラストもまた何とも春らしいではありませんか。やがて花が終わると花吹雪が舞い、地面も周囲も一面ピンクの世界に染まります。ここを上り下りする人たちは、肩や手の平に花びらを受けながら、春の歓びを全身に浴びるのです。  さて、そんな金沢の一番の花見の名所といえば、やはり金沢城石川門下の沈床園でしょうか。企業の新入社員や大学の新入生が場所とりに精を出すまでは、微笑ましい光景なのですが、あの青いビニールシートや大音量のカラオケはどうも無風流でいただけません。赤い毛せんに謡とまではいいませんが、せめて場所柄をわきまえて、加賀百万石らしい情緒も演出してほしいと思うのは、私だけでしょうか。

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