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私の旅コラム


【著者プロフィル】
元新聞記者。夫と娘の3人家族で、趣味はおいしいものを食べることと、バレエ、それにネイルサロンに通うこと。生まれは石川ではないのですが、よそから来た人の方が興味津々ってことありますよね。そんな私がイチオシする石川の情報をどうぞお楽しみに。

秋のコラムは全7回。今回は、第6回「悩むのも楽しい土産物選び」です。

秋のコラム 第6回「悩むのも楽しい土産物選び」


和ろうそく




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 県外に出て人に会う時は、例え小額でも必ず手土産を持参することにしています。最も多いのはやはり菓子類ですが、いつも同じ物では気が引けると思っていたら、新聞ですてきな情報を発見しました。石川では毎年、土産品のコンテストをやっていて、話題の優良品が選ばれているんです。

 結果は年末に発表されるのですが、情報をたどって「義経の笛 蝉折(せみおれ)」や「羽二重 加賀れんこん餅」など、おいしそうなお菓子を見つけてしまいました。どちらも最優良の石川県知事賞を受賞しています。蝉折は、義経伝説をスティックパイで表現したお菓子で、「石川は義経、弁慶の、あの勧進帳の舞台だよ」と、ついお国自慢も語ってしまいそうです。

左:「義経の笛 蝉折(せみおれ)」(有)メルヘン日進堂
右:「羽二重 加賀れんこん餅」越山甘清堂


 荷物が多くなるべくかさばらないものを、と思うとき、私は九谷焼の箸置きを選びます。ちょっと高そうな九谷焼専門店でも、箸置きなら数百円からありますし、紙で丁寧にくるんでもらえば、バッグの隅に収まり陶器でもほとんど割れる心配がありません。箱に入ったセットでなくても構わないのです。相手先の家族の人数に合わせて、一人ひとりに似合う物を選べば、それはそれで心のこもったプレゼントになるのではないでしょうか。

九谷焼の箸置き


国産のまこもたけ


 やはり地元ならではの旬の食べ物をというなら、津幡町特産の「まこもたけ」をお勧めします。9月下旬から11月中旬にかけて収穫されるイネ科の野菜で、食物繊維が多く、血液の浄化作用もあるとか。タケノコのような食感で、甘くてえぐみのないのが特徴です。国内で生産しているところはまだ少なく、市場に出回っているのはほとんどが主に中国からの輸入品なので、国産まこもたけは珍重されると思いますよ。

津幡町特産の「まこもたけ」


 少しおしゃれな物を、というのでしたら、和ろうそくはいかがでしょう。七尾市には「高澤ろうそく店」というろうそくの専門店があります。創業明治25年、熟練の職人が手がける和ろうそくは安定した灯火に定評があり、絵柄を入れたタイプはインテリア性も高く若い層にも人気があります。江戸時代、海運業が盛んだった七尾では、北前船による物資の調達が容易だったことから、ろうそく作りが盛んに行われ、同業者の組合にあたる「蝋燭座」も設けられていました。北陸の冬は仏壇に供える花が高価だったため、代わりにろうそくに花を描いたのが、絵柄入りの始まりだそうです。

和ろうそく


 絵が入った物は白地もすっきりとして美しいのですが、朱の蝋燭を見ると、私はいつも小川未明の「赤い蝋燭と人魚」を思い出してしまいます。ふだんは全く忘れてしまっている、幼い頃に読んだ悲しい物語の記憶が、遠い日へのノスタルジーとともに呼び起こされる、そんな赤いろうそくなのです。

奥能登産の焼酎も


 贈り先が左党なら、定番中の定番「地酒」も忘れてはいけませんね。純米酒や大吟醸など、自慢のお酒は多いのですが、最近は焼酎も喜ばれそうです。奥能登で作られた本格麦焼酎「能登 ちょんがりぶし」(日本醗酵化成)と10年熟成の「すず」(同)が、石川では貴重な一品です。能登産の梅で作られた「竹葉 能登の梅酒」(数馬酒造)も、体に良さそう。

左:「能登 ちょんがりぶし」日本醗酵化成
右:「すず」(同)


「竹葉 能登の梅酒」(数馬酒造)

 相手を思い浮かべながら、あれこれ悩むのもまた、お土産選びの楽しさのうちなんですよね。

秋のコラム 第7回「加賀百万石の食文化」へ


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