【著者プロフィル】元新聞記者。夫と娘の3人家族で、趣味はおいしいものを食べることと、バレエ、それにネイルサロンに通うこと。生まれは石川ではないのですが、よそから来た人の方が興味津々ってことありますよね。そんな私がイチオシする石川の情報をどうぞお楽しみに。 秋のコラムは全7回。今回は、第5回「今も身近な茶室・庭園」です。 |
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【著者プロフィル】元新聞記者。夫と娘の3人家族で、趣味はおいしいものを食べることと、バレエ、それにネイルサロンに通うこと。生まれは石川ではないのですが、よそから来た人の方が興味津々ってことありますよね。そんな私がイチオシする石川の情報をどうぞお楽しみに。 秋のコラムは全7回。今回は、第5回「今も身近な茶室・庭園」です。 |
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先日、東京の知人が取材で石川にやってきました。ところが、訪れた先々でお抹茶の接待を受け、とても戸惑ったというのです。コーヒーや緑茶に馴れている人からすれば、当然のようにお抹茶が出てくることは、まるで異文化の地に迷い込んだように感じられたのかもしれません。作法が求められることから、緊張も増したようです。![]() 茶室 時雨亭(しぐれてい) でも石川において、日本の伝統に則ったもてなしは、今も決して特殊なことではありません。実際、私の周りを見ても、茶道の経験のある人はかなりの数ですし、自宅にちょっとした茶室を持っている人も、さほど珍しいことではないのです。 藩政時代、武家にとって茶の湯は重要なたしなみであり、茶会は社交の場でした。そんな城下町文化の名残が、今も人々の生活に深く根をおろしているのかもしれませんね。 名園を眺めお抹茶をそれを裏付けるかのように、金沢を中心に由緒ある茶室がたくさん残されています。同時に忘れてはならないのは、その茶室をはじめ造園に様々な趣向を凝らした名園の存在です。名園と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、やはり「日本三名園」の一つ、金沢市の兼六園でしょう。 ![]() 兼六園 5代藩主前田綱紀から13代斉泰まで、実に百七十年もの歳月をかけて作庭され、江戸時代の回遊林泉式庭園として、灯籠や雁行橋、霞ケ池のほか、茶室も安永3(1774)年当時の姿を今に残す「夕顔亭」や、水面に浮かぶようにせりだす「内橋亭」など見どころが多数あります。中でも平成12(2000)年に復元された「時雨亭」は内部を見学できるうえ、呈茶もありますから、加賀百万石気分を満喫できるでしょう。 ![]() 時雨亭 この兼六園のすぐ脇にある「西田家庭園 玉泉園」は、藩の小姓頭だった一般武士の庭園です。斜面を利用した池泉回遊式の庭の上段には、京都裏千家の「寒雲亭」を模した茶室「灑雪亭(さいせつてい)」も保存されています。庭園を眺められる座敷で、お抹茶をいただくこともできますよ。 ![]() 玉泉園 現代風の「千叟好み」も![]() 芦城公園(ろじょうこうえん) さて、先の東京の知人の件ですが、石川の人にとって、コーヒーでも、緑茶でもなく、抹茶を選んだことは最大のもてなしの表現なのです。「あなたは大切なお客様です」という心を示すものですから、作法が分からなくても、恥じたりすることはなく、知ったかぶりをする必要もありません。「教えてください」と正直に言えば、丁寧に教えてくれたはず。石川はそんな懐の深いお国柄でもあるのです。 ![]() |
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