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私の旅コラム


【著者プロフィル】
元新聞記者。夫と娘の3人家族で、趣味はおいしいものを食べることと、バレエ、それにネイルサロンに通うこと。生まれは石川ではないのですが、よそから来た人の方が興味津々ってことありますよね。そんな私がイチオシする石川の情報をどうぞお楽しみに。

秋のコラムは全7回。今回は、第2回「「屈強な母」演じた白山」です。

秋のコラム 第2回「「屈強な母」演じた白山」


白山・翠ケ池




関連リンク



白山中宮温泉

日本三名山に数えられる白山(はくさん)



白山
 標高2,702メートル、富士山・立山と並んで日本三名山に数えられる白山は、手つかずの自然が多く残された美しい山です。目に余るほどの観光地化が進んだ他の山々と違って、ブナの原始林などを残す白山は、まだ霊峰や聖域という名がふさわしい山かもしれませんね。

 私が最初に白山に登ったのは、小学5年の時でした。山道を汗だくになって進むと、目の前に雪渓が開け、そこでひと休み。コーヒーを沸かし、雪に缶入りのゆであずきをかけた天然のかき氷をほおばりました。碧色に輝く池や、青空に映える白い雪、群生するお花畑がまるで絵のようでした。



 早朝、まだ真っ暗な時間に起きて、いざ山頂へ。雲海から浮かび上がるご来光の神々しさ。“雲上人”の気分を味わったひとときでした。これは苦しい道のりを耐えて登った者だけに与えられるご褒美なのですね。

白山御来光


 2度目の白山に挑んだのは、それから?年後の娘が小学1年の夏。白山の登山口はいくつかあり、石川県からは別当出合を基点とした砂防新道と、健脚者向けの観光新道がよく利用されるようです。わが家は、初心者や家族連れにお勧めの砂防新道を通って室堂下の南竜馬場を目指す約4・9キロ、3時間強というコースを選びました。

 吊橋を渡る、わくわくするシーンに始まり、順調に進んだかのように思われましたが、一番の敵は天気でした。お昼を食べた甚之助避難小屋あたりから空の色が変わり、風雨が激しくなってきました。

 南竜には一般の山荘のほかにグループで利用できるケビンがありますが、たどり着く頃には3人ともズブぬれで、夏でも寒さに震える始末。仕方なくケビンをキャンセルし、ストーブのある山荘に宿泊先を変更しましたが、そこは文字通り雑魚寝です。しかも私の隣は見知らぬ男性。ほとんど一睡もできませんでした。

南竜ケ馬場


 悪いことに娘の足の爪が割れてしまい、帰りは夫が娘をおぶり、私が娘と夫のリュックも持つことに。ところが娘は、人が来ると夫の背中から下りて歩くのです。手ぶらで楽ちんな父娘と寝不足のやつれた顔で3つもリュックを背負って歩く屈強な母。「奥さんも大変ですねぇ」と、同情の言葉をかけられてしまいました。

白山・油ケ池


 悪条件が重なり、楽しい経験になったか心配したのですが、娘は大喜びで次のように登山を振り返っていました。「雨の後、虹が出てたね」「すぐそばに大きな鳥がいたね」「知らない人とみんなでお泊まり、楽しかったね」…。どうやら、“雲上人”気分とはまた別の、白山の奥深い魅力を味わったようです。

 実は夏の混雑が解消し、天候も比較的安定する秋こそ、白山を満喫できる好シーズンともいえます。周囲に温泉も多いので、登山の後は、疲れた体をゆったり癒やしてあげて下さい。登山、温泉etc.。それぞれの楽しみ方ができる白山へ、この秋、訪れてみませんか。


秋のコラム 第3回「白山スーパー林道で紅葉狩り」へ


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